知ってる?卵  その1

サルモネラ腸炎ビブリオブドウ球菌、病原大腸菌とともに古くから知られている食中毒菌の一つですが、近年これによる食中毒が多発しています。
特に鶏卵や卵使用の料理(洋生菓子、自家製マヨネーズなど)を原因とする食中毒例が多く報告されています。
これは新種のサルモネラ・エンテリティディス(SE)が鶏卵を汚染している
ためだといわれています。


食中毒例は、レストラン・学校・病院・老人ホームなどの厨房で殻付き卵を大量に割って混ぜ合わせ、それに熱を全く加えないか、少ししか掛けないような料理を作り、多少時間が経ってから大勢の人た
ちに供したという場合がほとんどです。
家庭などで生卵を食べることによるサルモネラ食中毒をあまり聞かないのは、卵のSE汚染度が1万個に1個の陽性率で、1人1個しかも比較的新鮮なものを割ってすぐに食べるのが普通だからです。

日本でのサルモネラ食中毒の原因食品と推定された卵を含む食品としては、錦糸卵、自家製マヨネーズ、生卵入り納豆、卵サンドウィッチ、卵うどん、厚焼き卵、ティラミス、シュークリームなどがありま
す。

サルモネラ食中毒の特徴
潜伏期は6~48時間、通常12時間です。
主な症状は、嘔吐、下痢腹痛、発熱で、とくに下痢は激しく、便は水様になることが多いです。
通常1週間以内に回復しますが、病後あるいは無症状者でも、保菌状態に移行することがあります。
サルモネラに対して幼児、老人は感受性が強く、胃の手術を受けた人や胃酸欠乏症の人はコレラ様症状を引き起こしやすいとの報告
があります。

#鶏卵によるサルモネラ食中毒の予防
①卵の保存と取り扱い
サルモネラの発育可能温度範囲は、7~46℃で、至適温度は30~40℃と言われています。
SEは、5℃以下では増殖せず10℃に置いた場合は、卵黄、全卵でもその繁殖は遅くなります。
従ってなるべく新しい卵を購入し、冷蔵庫で保存することが望ましいのです。
その際、卵同士をくっつけず、個別に保存すること。
これは菌に汚染された卵が1個でもあると、それと隣り合って保存されてている卵にも、殻を通して菌が侵入するためです。

②使う時は、必要な数だけ出して調理する
新鮮な卵の場合は、SEが入っていても、数十個という少ない菌数量なので、生で食べても下痢をする可能性は低いのですが、
放置しておくと菌は急増します。

③卵の殻や食肉に触った手は、その都度手洗をする
手を洗わないで素手でサラダやハンバーグなどを混ぜると、その手からSEが移行し、その食品は菌の発育に都合よい温床となります。

④調理食品は十分に加熱を
加熱は唯一確実な殺菌方法なので、中心までしっかりと熱が通ることが大切です。
SEは比較的熱に弱く60数℃で死滅しますが、食品によって異なります。例えば冷蔵庫に保存された卵をゆでた場合、4分間の加熱では、卵黄は28℃にしか達しないので、菌は死滅しません。

<参考および引用サイト>
鶏卵によるサルモネラ食中毒
http://www.bl.mmtr.or.jp/~shinjou/tama.htm


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(画像をクリックすると拡大します)
出典 朝日新聞・朝刊 2009.11.28
版権 朝日新聞社





最近、卵による食中毒が増えているって、本当?
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http://www.selfdoctor.net/q_and_a/2001_08/shyokutyuudoku/03.html



<番外編 その1>
#5~14歳は半数感染か=新型インフル、高齢者は1%未満
新型インフルエンザに感染した人の割合が、5~14歳では約50%に上る計算になることが、国立感染症研究所(感染研)が算定した推計患者数などから分かった。
厚生労働省は「学校で集団生活を送る年代で、感染機会が多いためではないか」としている。
 
感染研は全国約5000カ所の医療機関を受診したインフルエンザ患者数から全患者数を推計しており、22日までの累計患者数は推定1075万人。
大半が新型インフルエンザとみられ、内訳は0~4歳が95万人、5~9歳が285万人、10~14歳が309万人、15~19歳が168万人。全体の約80%を20歳未満が占め、5~14歳が特に多い。
 
一方、総務省の6月現在の人口推計では、5~9歳の人口は572万人、10~14歳は597万人。
単純計算すれば、5~14歳では全体の約50%が感染し、病院で受診したことになる。
感染率は0~4歳で17.6%、15~19歳も27.6%と高いが、20~40代では2~5%台。50代以上は1%に満たない。
全年代では8.4%。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091129-00000017-jij-soci
出典 時事通信 2009.11.29
版権 時事通信社
<コメント>
「全国約5000カ所の医療機関を受診したインフルエンザ患者数から全患者数を推計」・・・
これで推計できるのでしょうか。
休日診療所や病院へ時間外に受診するケースも多く、それらの患者数がきちんと把握されているかも疑問です。
これからは季節性インフルエンザも流行して来ます。
現在PCR法が行政に独占されているため、われわれ最前線の医療機関では新型インフルエンザとの鑑別は出来ません。
今後の統計は信用性がないことになります。


<番外編 その2>
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出典 朝日新聞・朝刊 2009.11.28
版権 朝日新聞社
<コメント>
こういった学会関係者は是非、PCR法の解放を厚労省に働きかけていただきたいと思います。
いつも思うことですが、大学教授はインフルエンザ患者を実際には診察しているのでしょうか、
想像ですが大学病院にインフルエンザ患者が押し掛けているとは思えません。
こういった現場の声を是非汲み上げて欲しいものです。

読んでいただいて有難うございます。
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