抜け毛対策は春から - このはずく医者の「よろず備忘録」

春は抜け毛が増加する季節です。
１年のうちで最も頭皮が脂っこくなり、不快になりやすい季節でもあります。

こういったことを防止するには、どうすればいいでしょうか。

そのためには、正しく髪を洗って皮脂をしっかり取って頭皮を清潔にすることが大切です。

髪の毛は“頭皮”から生えてくるので、まず“頭皮”というものを考えてみましょう。
毛を植物に例えると頭皮は土に相当します。
土が悪ければ満足に植物は育ちません。

さて、頭皮は頭の表面だけをイメージしがちですが、医学的には頭蓋骨から表面までの組織を指しているのです。

この頭皮は表皮、真皮、皮下組織の3層で構成されており、頭皮と思っている部分は表皮にあたります。

この表皮はさらに、角質層、顆粒（かりゅう）層、有棘（ゆうきょく）層、基底層に分かれています。

基底層では、若い細胞が次々と生まれ、細胞分裂を繰り返しながら、表面にある角質層に上がっていきます。
最後には、角質層で細胞核を失い、剥離してしまうのですがこれがフケやあかなのです。

基底層で細胞が生まれてから剥離するまでは、約40日で1サイクルとされています。
角質層の細胞（つまりフケやあか）をきれいに取り除くことで、頭皮の新陳代謝が図れるのです。

この角質層は0.02mmくらい大変薄く、ラップほどの厚さしかありません。
したがって、ゴシゴシと頭皮をこすったり、爪を立ててシャンプーしたり、硬いブラシで強くブラッシングしたりすると簡単に傷ついてしまいます。

角質層を含む表皮はその下にある組織を、暑さや寒さ、紫外線、摩擦や圧迫、科学的物質などの外部刺激から守る役割を果たしています。

その表皮が傷ついてしまうと、組織の内部にまでダメージを与えてしまい、炎症などの原因となりますので、頭皮はやさしく扱う必要があります。

＜参考記事＞
「抜け毛対策は春から　症状調べ受診も」
日経新聞・朝刊　2010.4.3

＜参考サイト＞
抜け毛対策のコツ
http://nkg.otofu.net/

抜け毛予防ガイドブック
http://www.mouhatsu.net/

不可能ではない、薄毛進行ストップ作戦
http://www.health.ne.jp/library/3000/w3000561.html