男性短命のなぞ

NIPPON DATAという言葉を聞かれた方はみえますか。
これにはNIPPON DATA 80とNIPPON DATA 90とがあります。

NIPPON DATA 80は、全国300カ所の保健所で健診を受けた30歳以上の約1万名の男女を対象に行った循環器疾患の基礎調査です。
1980年に開始し、血圧、総コレステロール、血糖、喫煙習慣、飲酒習慣、肥満指数(BMI)と、心筋梗塞死や脳梗塞などの関連を調べたものです。

NIPPON DATA
http://www.epi-c.jp/e007_1_0001.html
(NIPPON DATAにはNIPPON DATA 80とNIPPON DATA 90とがあります)



#喫煙する人は寿命が短くなる NIPPON DATA 80
喫煙習慣のある男性は、ない男性に比べて40歳以降の余命がおよそ3.5年短くなることが、厚生労働省研究班(班長:上島弘嗣・滋賀医大教授)の大規模研究でわかった。

海外ではたばこが寿命を短くすることを具体的な数値で示した研究があるが、日本では初めてのこと。禁煙が必要なことを示す研究として注目されている。

研究では、大規模研究「NIPPON DATA 80」で得られた40歳から85歳の喫煙習慣や喫煙量などのデータをもとに、年齢階級別死亡率をもとに喫煙状況別の男女の平均余命を算定した。
1980年から1999年までに、約2,000人の人が亡くなった。

1980年の時点でたばこを吸っていた男性の割合は62.9%で、40歳時の平均余命は、たばこを吸わない人で42.1年、以前吸っていたがやめた人で40.4年、吸う人で38.6年だった。

平均余命は、1日に1箱未満吸う人で39.0年、1箱から2箱吸う人で38.8年と量が増えるにつれて短くなった。
2箱以上吸う人は38.1年で、吸わない人との差が4年に拡大した。

厚生労働省の調査によると、習慣的に喫煙している人の割合は、2005年は男性が39.3%、女性は11.3%。1980年の時点では調査した男性の喫煙率は62%と高く、途中で禁煙した人がいるとみられる。
もし禁煙する人がいなかった場合、余命格差はさらに広がっただろうと考えられている。

NIPPON DATA 80では、1日20本吸う人では心筋梗塞で亡くなるリスクが1.7倍、脳卒中では1.7倍高くなるという結果がでている。


出典
喫煙する人は寿命が短くなる NIPPON DATA 80
http://mhlab.jp/calendar/seikatsusyukanbyo_01/2007/05/001497.php



<関連サイト>
「男性短命は喫煙、飲酒要因 「平均寿命」性差の謎解く」
http://hs-web.shiga-med.ac.jp/yamanashi080409.pdf
(2年前の平成20年4月9日山梨日日新聞に掲載された新聞記事です)

NIPPON DATA80(心血管疾患リスク)
http://www.m-junkanki.com/kennsinn/kennsinn_ND80_CV.html
(性別、年齢、糖尿病、喫煙習慣、血圧値、総コレステロール値を入れることによって自分の10年間の死亡率を知ることが出来ます)




*ちょっとタイトルが大袈裟過ぎました。



読んでいただいて有難うございます。
コメントをお待ちしています。
井蛙内科開業医/診療録(4)
http://wellfrog4.exblog.jp/
(H21.10.16~)
井蛙内科開業医/診療録(3)
http://wellfrog3.exblog.jp/
(H20.12.11~)
井蛙内科開業医/診療録(2)
http://wellfrog2.exblog.jp/
(H20.5.22~)
井蛙内科開業医/診療録 
http://wellfrog.exblog.jp/
(H19.8.3~)
(いずれも内科専門医向けのブログです)
葦の髄から循環器の世界をのぞく
http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログです)