「脂肪肝」
体とこころの通信簿、ゆっくり飲酒、つまみは野菜酒を飲んだ後、「小腹がすいたのでお茶漬けでも」。
心当たりの人は多いはずだ。
お茶漬け程度なら太らないと思っていたら、それは誤解だ。
そのまま寝たら、どうなるか。
ご飯が内臓脂肪に化ける可能性がある。/
肝臓に余分な中性脂肪がたまる「脂肪肝」は、糖尿病や高血圧、高脂血症などの原因となるだけでなく、肝硬変進むこともある。
だが、早めに気づけば改善できる。
脂肪肝は腹部の超音波(エコー)検査で見つかる。
西原利治・高知大学医学部準教授(消化器内科)によれば、現在、健康受診者の少なくとも5人に1人に上るという。
だが、早めに気づけば改善できる。
脂肪肝は腹部の超音波(エコー)検査で見つかる。
西原利治・高知大学医学部準教授(消化器内科)によれば、現在、健康受診者の少なくとも5人に1人に上るという。
肝臓では食品に含まれる脂肪とは別に、主として炭水化物を材料に脂肪が作られる。
多くは皮下脂肪として蓄えられ、主に筋肉のエネルギー源として使われるが、余って行き先がないと、おなかや肝臓にたまる。
多くは皮下脂肪として蓄えられ、主に筋肉のエネルギー源として使われるが、余って行き先がないと、おなかや肝臓にたまる。
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飲酒は、それ自体が肝臓に負担をかけるだけでなく、肝臓での脂肪合成を促進する作用がある。
西原さんによると、酒一合のアルコールが肝臓で分解されるには、3時間ほどかかる。
この間に吸収された炭水化物は、脂肪に作りかえられやすい状態が続く。
西原さんによると、酒一合のアルコールが肝臓で分解されるには、3時間ほどかかる。
この間に吸収された炭水化物は、脂肪に作りかえられやすい状態が続く。
「酒を飲んですぐ寝れば、直前に食べた炭水化物は、脂肪の材料になってしまいます。同じ炭水化物でも、砂糖や果糖は吸収が早いので、脂肪に変りやすいと言えます」。
酒のカロリーは低いにこしたことはないが、「脂質カット」をうたっていても油断はできない。
糖質とは別にアルコールそのものにも脂肪に匹敵するカロリーがあるからだ。
酒のカロリーは低いにこしたことはないが、「脂質カット」をうたっていても油断はできない。
糖質とは別にアルコールそのものにも脂肪に匹敵するカロリーがあるからだ。
では、酒を飲む時はどんなことに気をつければいいのか。
西原さんは「一気に飲むと、血中濃度も一気に上がって脂肪合成も進むので、時間をかけてゆっくりと」と助言する。
脂肪の吸収を抑える食物繊維をとる、など中身にも気を配りたい。
「ほろ酔いになるくらい飲むと、アルコールのカロリーだけでも一日に必要なエネルギーの一割です。カロリーオーバーになりやすいので、おつまみはナッツ類より緑黄色野菜のお浸しなどがお勧めです」
西原さんは「一気に飲むと、血中濃度も一気に上がって脂肪合成も進むので、時間をかけてゆっくりと」と助言する。
脂肪の吸収を抑える食物繊維をとる、など中身にも気を配りたい。
「ほろ酔いになるくらい飲むと、アルコールのカロリーだけでも一日に必要なエネルギーの一割です。カロリーオーバーになりやすいので、おつまみはナッツ類より緑黄色野菜のお浸しなどがお勧めです」
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一方、「よくかんで、食べる順序にも気をつけて」と言うのは東京医科大学八王子医療センターの管理栄養士、福元敦子さん。
「野菜や海藻、きのこ類を先に食べれば、お腹が早く満たされ、吸収もゆっくりしてくれます」
「野菜や海藻、きのこ類を先に食べれば、お腹が早く満たされ、吸収もゆっくりしてくれます」
「肝臓が弱った人や酒を飲む時は良質なタンパク質を」と言われたが、これは栄養状態が良くない昔のことだ。
「現在、ふつうの食事をしていれば、タンパク質不足になる心配はまずありません。豆腐や納豆、サバ、サンマなど良質なタンパク質の食材は実は高カロリーなので気をつけてください」
「現在、ふつうの食事をしていれば、タンパク質不足になる心配はまずありません。豆腐や納豆、サバ、サンマなど良質なタンパク質の食材は実は高カロリーなので気をつけてください」
相談ナビ
脂肪肝は、AST(GOT)やALT(GPT)など、血液検査の肝臓機能値の異常となって判明することも多い。
職場の検診では腹部超音波検査を実施してはいないところも多く、肝機能値軽い異常が見つかったら、念のために腹部超音波検査をうけると安心だ。
進行した脂肪肝が疑われる場合、肝臓の状態をより詳しく調べるため、CT検査を実施することもある。
出典 朝日新聞・夕刊 2007.10.29
版権 朝日新聞社
脂肪肝は、AST(GOT)やALT(GPT)など、血液検査の肝臓機能値の異常となって判明することも多い。
職場の検診では腹部超音波検査を実施してはいないところも多く、肝機能値軽い異常が見つかったら、念のために腹部超音波検査をうけると安心だ。
進行した脂肪肝が疑われる場合、肝臓の状態をより詳しく調べるため、CT検査を実施することもある。
出典 朝日新聞・夕刊 2007.10.29
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