子供の誤飲、3割超たばこ

子供の誤飲で一番多いのはタバコ。
誤飲の半数近くはタバコといわれています。
年齢的には1歳前後が最も多いのです。
タバコそのもの、タバコの吸殻、空缶に入った吸殻のタバコ。
タバコはニコチン中毒を起こします。
ニコチンは水に良く溶ける性質があります。
水に溶けたニコチンが一番有毒です。
空き缶を灰皿代わりにしないようにしましょう。
タバコを誤飲してしまった場合は、絶対に水などを飲ませてはいけません。

まずはタバコの誤飲についての予備知識です。

ニコチンの致死量
大人 タバコ 2本分
子供 タバコ 1/2~1本分

でもタバコで自殺したという話はあまり聞いたことはありません。
タバコを数こと自体がゆるやかな自殺です。
1本で数分寿命を縮めるわけですから。
(これからちょっと患者さんの「禁煙のすすめ」に使えそうです)

禁煙を考えている若いパパ。
お子さんの誕生に合わせて是非とも禁煙に取り組んで下さい。
これからおなかの大きいお母さんが来院された場合には、このブログをプリントしてお渡ししますよ。


ニコチンの中毒症状
嘔吐、よだれの増加、腹痛、下痢、めまい、頭痛、興奮、けいれん、呼吸停止など。
タバコの誤飲での死亡例は少ない。
タバコを口に入れても、初期に嘔吐されるため体内吸収量は考えられるよりも少ない。
しかし、水に溶けたニコチンは最も有毒なため注意する。


日本中毒情報センターでは化学物質(たばこ、家庭用品など)医薬品などによって起こる急性の中毒について情報提供、相談ができます。
大阪中毒110番  電話0990-50-2499 (有料)  
つくば中毒110番 電話0990-52-9899 (有料)

さてきょうは2月に掲載された新聞記事の紹介です。

#子供の誤飲、3割超たばこ 30年連続で最多 
家庭で起きる子供の誤飲事故のうち、2008年度に最も多かったのは「たばこ」(33・3%)で、1979年度の調査開始以来、30年連続で最多となったことが31日、厚生労働省の「家庭用品などにかかる健康被害病院モニター報告」で分かった。

財団法人日本中毒情報センターは「たばこの誤飲事故が多いのは畳の上での生活が多い日本特有の傾向。
大人の不注意で床や低いテーブルなど乳幼児の手が届きやすい場所にたばこが置かれる」と分析する。

禁煙志向が高まり、たばこが誤飲事故全体に占める割合は減少傾向にあるが、厚労省の担当者は「世代が変わっても親の認識の甘さは不変。
乳幼児が飲み込んでしまう危険があることを十分認識してほしい」と注意を呼び掛けている。

今回の報告は、全国7カ所の病院で扱った477件の誤飲事故を集計。
このうちたばこは159件で、全体に占める割合は前年度(33・6%)とほぼ同じ。
年齢別では生後6カ月~1歳半に集中しており、139件にのぼった。

1本の約3分の2を食べて顔色が悪くなったところを母親が発見して病院に運んだり、灰皿代わりにしていた空き缶の吸い殻入りの水を飲んだりしたケースがあった。

出典 日経新聞・朝刊 2010.2.1
版権 日経新聞


<関連サイト>
命を落とすこともある!子どもの誤飲事故
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20050406_2.pdf
(「独立行政法人国民生活センター」の2005.4.6の記者説明会資料です。今行われている事業仕分けの対象になっていないんでしょうか)

誤飲-こどもの救急-おかあさんのための救急&予防サイト(ONLINE-QQ)
http://kodomo-qq.jp/13_goin/index.php



危険物を飲み込んだ場合の対処法
http://allabout.co.jp/children/childrenshealth/subject/msub_asp.htm

健康注意報:子どもの危ない誤飲事故、約4割は“たばこ” (05/06/02)
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/377/377089.html
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