体にいいナッツ類

意外に体にいいナッツ類 生活習慣病の予防も

クルミやアーモンド、ピスタチオなどのナッツ類。高カロリーで太ると思って敬遠していませんか。
実は栄養バランスがとてもよく、生活習慣病の予防や老化防止に役立つとわかってきました。

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日本臨床栄養学会の板倉弘重理事長は「たしかにナッツの主成分は脂肪です。しかし、そのほとんどはαリノレン酸オレイン酸といった健康によいとされる油。動脈硬化を防ぎ、脳梗塞や心臓病のリスクを減らすなどの効果があります」と話す。

αリノレン酸とは体内でつくることのできない必須脂肪酸
血栓防止や中性脂肪の低下、炎症抑制などの作用が注目されている。

一方、オレイン酸はオリーブオイルに豊富に含まれることで知られ、悪玉と呼ばれるLDLコレステロールを減らす働きがある。

さらにうれしいことに、ナッツには、ビタミンやポリフェノールなど抗酸化物質も多いという。

抗酸化物質は、がんや老化の誘因となる活性酸素を消す。
いわゆるアンチエイジングにも役立つというわけだ。
油の酸化を防ぐため、ナッツの脂肪の長所も最大限に生かされるという。

「ナッツはたんぱく質も含み、栄養価が非常に高い。食べないのはもったいない」と板倉さん。

欧米では、ナッツの健康への効能を示すデータが次々と報告されている。

日本でも、九州大の今泉勝己特任教授(栄養化学)らが調査した。
男女40人に4週間、1日の摂取エネルギーの12.5%をクルミから取ってもらったところ、男女ともLDL値が低下した。

「日本の食事にクルミを加えても、欧米の研究と同様の結果が出たのは意義がある」と今泉さん。

LDLが減ったのは、αリノレン酸オレイン酸に加え、必須脂肪酸リノール酸、ミネラル、食物繊維、アミノ酸などがバランスよく含まれるためと見ている。

お茶の水女子大大学院の近藤和雄教授(臨床栄養学)によると、ナッツはダイエット効果も期待できるそうだ。

海外では「ナッツを週5回以上食べる人のBMI(肥満度を示す体格指数)は、ほとんど食べない人と比べ低かった」「肥満の人たちがアーモンドを食べたら体重もBMIも低下した」などの報告がある。

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とはいえ、私のような食べ方はやはりカロリー過多だそうだ。
間食と考え、「1日約200キロカロリー、片手で軽く一握り分くらい」が適量と教わった。そのぶん、ほかの間食は控えよう。

近藤さんは「少しずつ成分が違うのでいろんな種類を。油や塩が無添加のものがよい」と勧める。

相変わらず、職場の机にもナッツを忍ばせ、小腹がすいたときにかじっているが、必ず小分けにして適量を守るようになった。家では、サラダやトーストに加えて楽しんでいる。
(内山美木)

◆インフォメーション
ここ数年、ナッツの中で存在感が高まっているのがアーモンドだ。カリフォルニア・アーモンド協会によると、日本での売り上げは倍増。
ミス・ユニバース日本代表に栄養指導するオーストラリア出身のエリカ・アンギャルさんが著書などでアーモンドが美容によいと紹介したためだという。
同協会は「健康志向で塩や油を使わない商品が増えました」と話している。

出典 朝日新聞・朝刊 2011.1.15
版権 朝日新聞社


<ナッツ 関連サイト>
種実類
http://ja.wikipedia.org/wiki/種実類
■種実類(しゅじつるい)とは、かたい皮や殻に包まれた食用の果実・種子の総称。
■種実類のうち、木の実は一般には「ナッツ」と呼ばれる。
■ナッツに対してアレルギーを持つ人は少なくない。
また、しばしば重篤な症状を起こす。ナッツアレルギーを持つ人は、驚くほど少量のナッツ成分を摂取しただけで重篤アナフィラキシーショックを発症することがある。
ナッツを使用していない食品でも、製造工場でナッツを使用している機器から微量混入があっただけで発症した例がある。

日本ナッツ協会|Japan Nut Association
http://www.jna-nut.com/
(私的コメント;各ナッツについて詳しく紹介されています)


<私的コメント>
今回の新聞記事では、ナッツの効用のみでアレルギーについては触れられていませんでした。


<番外編>

タミフルは耐性できやすい 薬の性質か、研究報告

インフルエンザの治療薬として広く使われているタミフルは、別タイプの治療薬リレンザに比べ、子どもの患者では薬が効かない耐性ウイルスができやすいとの研究結果を、東京大医科学研究所の河岡義裕教授と、けいゆう病院(横浜市)の小児科医、菅谷憲夫参事らが米医学誌電子版に20日、発表した。
 
タミフルに耐性があるインフルエンザウイルスの検出例は多い一方で、リレンザではまれ。
タミフルの使用量の方が多いのが原因の可能性もあったが、今回の研究結果は、耐性ウイルスのできやすさは薬の性質の違いによる可能性が大きいことを示した。
 
河岡教授らは、200509年にかけ4つの病院で、タミフルリレンザを投与された72人を、一定の条件のもとで比較調査した。                     (共同)
出典 CYUNICHI Web 2011.1.20
版権 中日新聞社

<私的コメント>
日経新聞・朝刊 2011.1.21 に以下の記事が出ていました。

「治療の前後に全患者からウイルスを採取したところ、タミフルを処方した小児6人からは治療後に耐性ウイルスは出現しなかった。」

治療後はウイルスが消失している筈なのに耐性ウイルス云々というのがよく分かりません。



他に
井蛙内科開業医/診療録(4)
http://wellfrog4.exblog.jp/
(H21.10.16~)
井蛙内科開業医/診療録(3)
http://wellfrog3.exblog.jp/
(H20.12.11~)
井蛙内科開業医/診療録(2)
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(H20.5.22~)
井蛙内科開業医/診療録 
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(H19.8.3~)
(いずれも内科専門医向けのブログです)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/
葦の髄から循環器の世界をのぞく
http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログです)
「葦の髄」メモ帖
http://yaplog.jp/hurst/
(「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版です)
があります。