腰痛を自分で治す

腰痛を自分で治す 地道な運動が改善の近道

じわじわと続く腰の痛みのため3年ほど前、整形外科を受診しました。
いくつかの検査を受けても「異常はなし」。
でも疲れがたまると時々、腰はまだ痛みます。
「改善法を知りたい」と理学療法士で運動学などが専門の竹井仁(ひとし)・首都大学東京准教授を訪ねました。

    ◇

まず、自分がどのタイプかを知ることが不可欠という。
靴をぬぎ、かかとを壁から5センチほど離し、力を抜いて立つ。
壁と腰の間の隙間に手を入れると、手首の先まで入った。

「骨盤が前に倒れ、腰が反っていますね」と竹井さん。
手首で止まれば正常だが、その先まで入ると、反り腰に分類される。
逆に手のひらも入らない場合は、腰が前に丸まっているタイプという。

原因不明のことが多い「慢性腰痛」は、腰が後ろに反っているとか猫背、同じ姿勢を長時間続けることによる疲労から起きる場合が多いそうだ。
竹井さんは「固まった筋肉をほぐし、ゆるんだ筋肉を鍛えれば腰はすっと伸び、痛みは軽くなります」と助言する。
一方ぎっくり腰などの「急性腰痛」の場合は、安静が第一だ。
<私的コメント>
「急性腰痛」でマッサージをして貰ってかえって悪化する方がしばしばみえます。


反り腰の人向けの体操を教えてもらった。
まず、腹式呼吸で横隔膜を鍛える。
次に、背中から腰の中心部に走る筋肉を伸ばす体操でストレッチしよう。
腹筋を鍛える体操とセットで行うことが大事だ。
筋トレは、まずは5回を目標に。
少しずつ回数を増やして、20回3セットを目指そう。

ストレッチと筋トレは、どのくらい続けると、効果があるのか。
「2週間続けると、まずは自分で背が伸びたとか、体が軽くなったような気がします。さらに2週間続けると、『最近姿勢良くなった?』と周りからも気付かれるでしょう」と竹井さん。おしりをキュッとしめ、おなかに力を入れて大股で歩くこともお勧め。

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マッサージも一時的には効くが、筋肉を鍛えるなどしなければ、姿勢は悪いままなので痛みはぶり返してしまう。
「自分で体を動かすと、人にもんでもらうのに比べ、1.5倍も血流は良くなります」と竹井さん。

福島県医大会津医療センター準備室の白土修教授(整形外科)は07~08年、慢性腰痛の患者200人を対象に研究をした。
運動をするグループと、非ステロイド性消炎鎮痛薬を飲むグループに分けて比べた。

筋トレとストレッチを組みあわせた運動を8週間続けたグループのほうが、薬を飲んだ人たちよりも痛みや生活の質が改善する度合いが大きかった。
白土さんは「姿勢を良くし、運動を続けることで、腰痛は軽くなり防ぐこともできます」と話す。

マッサージを受けるよりも薬よりも、自分で運動を地道に続けることが、腰痛改善の近道のようだ。
少しずつでも毎日、続けていこうと思っている。(辻外記子)

 ◆インフォメーション
竹井仁さんの著書「不調リセット」は、反り腰以外のタイプの腰痛や肩こり、頭痛などにも効果がある体操や、自分でできるマッサージを紹介。
エーザイホームページの「今日から始める腰みがき」(http://www.eisai.jp/diseases-and-symptoms/koshimigaki)は、白土修さんの監修。
腰痛予防の姿勢や運動法を解説。

出典 asahi.com 2011.11.29
版権 朝日新聞社


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