ストレートネック予防を

長時間同じ座り方控えて

頸椎の湾曲失うと肩こり・腰痛の原因に 柔軟・筋トレ、しっかりと
長い間、いすに座ってパソコンに向かう現代人の間で増えているのが「ストレートネック」。
文字通り、首の骨が真っすぐになっている状態を指し、首のコリだけでなく、肩こりや頭痛、腰痛の原因になっていることもある。
「現代病」ともいえるストレートネックを予防する方法を探った。

香港在住のヨガインストラクター、Yさん(45)は7年前、運動中に尾てい骨をうち、めまいに襲われた。
整形外科を受診したが、尾てい骨に異常はなく、湿布と炎症止めの薬をもらって帰った。

しかし、めまいは止まらず、肩こりもひどくなったので、整形外科を再診し、首のレントゲンを撮ってもらった。
医師からは「首の骨が真っすぐになっている」と言われた。

その後、東京のカイロプラクティック治療院で「ストレートネック」がめまいの原因と指摘された。
Yさんは「初めて聞く言葉だったが、原因がはっきりして安心した」という。
首や骨盤のずれを治す運動や枕を変え、症状は2カ月ほどで軽くなったという。

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重い頭支えきれず
正常な人の頸椎は緩やかなカーブを描いて重い頭をバランスよく効率的に支えているが、ストレートネックの人は湾曲がほとんどなく、真っすぐになっている。

カーブが崩れると、頭が頸椎より前に来て、重い頭を首や背中の筋肉で支えなければならなくなり、慢性的な頭痛や首の痛み、肩こりといった症状が出る。

首の細い女性に出やすく、ひどくなると、めまいや耳鳴り、吐き気などを訴えることもあるという。

大きな原因の一つが、猫背だ。
長時間、パソコンで仕事をしたり、スマートフォンを操作していたりすると、背中が丸くなって、首が突き出た状態になり、ストレートネックになりやすい。
骨盤の筋肉が衰えている人が多く、骨盤が前傾した良い姿勢を保持できない。
背骨のS字状のカーブが崩れ、猫背になる。

逆カーブだと重症
また、細かい作業を続けるには首を突き出して頭を固定しなければならず、首の前側にある筋肉(斜角筋)が硬くなり、生理的な湾曲が失われ、ストレートネックを引き起こす。
あごが出て頸椎が逆カーブになっていると重症。
斜角筋症候群と呼ばれ、両手にしびれなどが出ることもある。

ストレートネックは病名ではないが、頸椎椎間板ヘルニアや頸椎症が原因で首の骨が真っすぐになっている可能性もあるため、磁気共鳴画像装置(MRI)を撮って原因が何か確認するとよい。

治療は対症療法になる。
消炎鎮痛剤などに加え、アイシングなど急性疼痛の治療を実施することが多い。
5日~1週間が経過し、症状が落ち着いてから頸肩甲部の筋緊張緩和などのリハビリをする。

ストレートネックは予防が大切。
普段の生活習慣、特に座り方に気をつける必要がある。
下腹に力をいれ、骨盤から背骨にかけて立った状態を意識して負担の少ない座り方をすることが重要となる。

長時間、同じ姿勢で座り続けるときは、1時間に1回は簡単なストレッチをするとよい。
骨盤を起こしてしっかり座るには、骨盤から腰、背筋のストレッチや腹筋などの筋力訓練も大切だ。

Yさんは、姿勢が良くなるように机といすの高さを調節。
「脚を組まないように気をつけ、ストレッチも続けることで、かなり改善された」と言う。

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編集委員 西山彰彦)

出典 日経新聞・朝刊 (SUNDAY NIKKEI)2012.2.12(一部改変)
版権 日経新聞

自分の座り方に問題があるかどうか知りたければ
http://www.kizuchiro.com/bunseki/


<私的コメント>
背骨がまっすぐな場合をストレートバックといいます。
私は元来、循環器専門でしたが、この領域では循環器系の諸症状が起きるということで有名です。

さて、このストレートネックやストレートバック。
はたして姿勢の影響で起こるのでしょうか。
文中の「運動中に尾てい骨をうち」「首の骨が真っすぐになっている」「『ストレートネック』がめまいの原因」という一連の流れも医学的には不自然です。
そして、カイロプラクティックではたして治るものなのでしょうか。
整形外科専門医のコメントが欲しいものです。