ひざの痛み

年齢とともに、ひざの痛みが気になる方が多くなります。
痛みが強くなって外出を避けるようになると、筋肉や体力の低下を招きます。
転倒の原因にもなり、軽く考えないほうがいいようです。


ひざの痛み 転倒の原因、筋力訓練で予防

■ひざの痛みで代表的な病気は、変形性膝関節症。
ひざ関節の軟骨がすり減って関節が変形し、痛みが出る。
推計で約800万人の患者がいると言われている。
ただ痛みがある段階では、軟骨がほとんどなくなり、症状としてはだいぶ進んでいる可能性がある。

■痛みだけが変形性膝関節症の特徴ではない。
痛いときと痛くないときとが繰り返しやってくる。
そんな時期が数年から10年単位で続いている、という人も多い。

■痛みが強くなくても、ひざの曲げ伸ばしや正座がしにくくなったり、朝にひざがこわばってスムーズに動かなかったりする人は要注意。
O脚が進んでいる人はリスクが高い。
ひざへの負担が大きくなり、変形性膝関節症の原因になりやすい。
肥満やメタボリックシンドローム内臓脂肪症候群)、過去にひざの靱帯を損傷している人も起きやすいと言われている。

■筋力の衰えとひざの痛みには密接な関連がある。
階段を下りる際の足の動きが心もとなかったり、立ち上がるときにぐらついたりする人は筋力が落ちているかもしれない。
自宅で筋力訓練するといい。

■ジムなどに通う必要はなく、簡単にできる。
例えば両足を伸ばして床に座り、太ももにぐっと力を入れ、約10秒したら力を抜く。
この動作を左右で計10回繰り返すと効果があるという。

■ひざの痛みで考えられる病気はほかにもある。
例えば、大腿骨内側の先の部分に壊死が起きる「大腿骨内顆骨壊死症」。
詳しい原因は分かっていないが60歳以上の女性に多いとされ、突然強い痛みが出る。

■関節リウマチも女性に多い。
ひざだけでなく、手の関節などが痛むことが多い。
痛みが左右対称に起きるのも特徴のひとつだ。
逆に男性に多いのが痛風
足の親指が痛むのが典型的なケースだが、痛みがひざから出ることもあるという。
動くと痛みが起きやすい変形性膝関節症に対し、関節リウマチや痛風は安静にしていても痛いことが多い。

■ひざの痛みに加え、体温が上がり発熱があるときは化膿性関節炎かもしれない。
けがなどをきっかけに、関節の内部で細菌感染が起きることが原因になる。
それほど多い病気ではないが、糖尿病などの免疫力が落ちている人は感染しやすいので注意が必要だ。

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参考サイト
日本整形外科学会HP
https://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/knee_osteoarthritis.html
(変形性膝関節症についての説明が載っている)


出典 朝日新聞・夕刊 2014.5.19(一部改変)
版権 朝日新聞社