鼻うがい

鼻うがい、痛くない方法は 食塩水をヨガ式で手軽に  風邪予防や花粉症軽減も

■「鼻うがい」は市販の鼻洗浄器のほか、生理食塩水を準備しコップで鼻から吸い込んだり、胃洗浄に使う注射器に入れて鼻の穴に流したりする方法がある。

■鼻にはにおいをかぐ以外に、「浄化や加温、加湿機能がある」。
ウイルスや細菌、花粉、ホコリなどをブロックする機能と、鼻に入った空気を加湿、加温して気管や肺に入る前に刺激のない状態にする働きだ。

■洗浄すると鼻の穴の細菌が除去できたり保湿したりする効果がある。
花粉症やインフルエンザや風邪対策にも有効だ。
ただ、乳幼児や高齢者など鼻がかみづらい人には向かない。
副鼻腔炎などで手術を受けた患者が使う鼻洗浄器「ハナクリーンS」というものもある。
製造元は1979年創業の鼻洗浄器専門メーカー、東京鼻科学研究所(東京都目黒区)。
鼻洗浄は欧米では普及していて、日本で注目され始めたのはここ5年ぐらいにしかならない。
ポイントとして
(1)洗浄液の温度38~42度
(2)体液と同じ浸透圧の濃度(生理食塩水と同じ塩分0.9%)
(3)適度な水圧で流すこと、
の3つだ。

■ハナクリーンSは、粉末の洗浄剤を湯で溶かし、容器のセンサーで適温を確認した後、ノズルを鼻の穴に入れて一定の勢いで洗浄液を流しこむもの。

急須型容器を使用 ヨガ式で手軽に
■インドのヨガでは「ネティポット」という容器を使った鼻うがいがある。
インドのヨガ道場では毎朝、日の出とともに中庭で鼻うがいをする。
空気の通り道を浄化することで、ポーズや呼吸法の効果がより多く得られ、心身の活性化を促す。
うがいの後、鼻から「シュッ」と音が出るぐらい強く短く息を吐く呼吸法と、小さく伏せる「うさぎのポーズ」で数分休む。

■ハナクリーンS、ネティポット(日本製)と、小林製薬「ハナノア」、自宅のコップ。
どの方法がいいだろうか。
私的コメント:
記事では以下のように記者が体験談を話す。

ネティポットとコップを使う場合はその都度、食塩水を作る。
洗浄終了後は鼻腔内に残った液を必ず排出する。
鼻に液が残っているときは強く鼻をかみすぎないことも重要だ。

最初はハナクリーンSに挑戦。
洗浄液を準備したところで、耳への圧力を減らして気管に入らないようにするため、説明書通りに「エー」と言いながら容器を押し、鼻の穴に流し込んだ。

意を決して挑戦 慣れれば心地よく
意を決して強く押すと生暖かい洗浄液は左側からたらり。
次第につつーと流れ、鼻の穴は奥でつながっていると実感できた。
途中、息を使い果たして鼻呼吸をしてしまった。
「ゴホッ」とむせて涙が出たが、慣れると鼻をかみ終わったあとに鼻がスッとする感覚が心地よくなった。

ネティポットはペットボトルを使い、人肌程度の適温か自分で確認した自家製食塩水を利用する。
顔を傾け、口呼吸をしながら右の鼻の穴にポットの口を当てて注ぎいれると、左からたらーっと流れてきた。意外とあっという間で、「鼻の穴を洗う」感覚だ。
ヨガの呼吸法をしたら鼓膜に圧力がかかったのか、左耳がピキッとなったが、その後特に問題はなかった。

ハナノアは付属の洗浄液を容器に注ぎ、正面を向いて鼻の穴に差して流し込む。
押しが弱くて鼻の穴に洗浄液が入らなかったが、ぐいっと押すと、反対側の鼻の穴やのどに冷たい液体がたらりと出てきた。
ミントは爽快だ。

うまくいくか一番心配だったのがコップを使う方法。
人肌程度に温めた食塩水に鼻の穴をあて、左をふさいでズズーっと吸い込んだ。最初はびっくりして続けられず、そのまま鼻から水が出た。
ゾウをイメージしながらゆっくり吸い込むと、次第にのどへ伝い口から吐くことができた。

試しに食塩を入れない人肌の湯冷ましでやってみたらツーンときた。
生理食塩水を使うなどのポイントは守ろう。
やりすぎにも注意。

記者のつぶやき
■朝は注意、通勤中たらっ
朝や帰宅後、湯を沸かして食塩水を作って練習した。
個人的には入浴時に適温の食塩水を準備し、ネティポットを使う方法が気兼ねもいらず習慣にできそうだ。
 
朝は、洗浄後に鼻をしっかりかんだつもりでも、地下鉄の中で鼻から水が垂れてきた。
このときはマスクをしていたので事なきを得た。
いずれの方法のときも、ヨガのうさぎのポーズをするとその時点で残りの水が出て軽減できた。
また、ネティポットはプラサードさんに「急須でもできる」と聞き試したところ、注ぎ口の角度が秀逸だと実感した。
鼻は加湿機能付きの空気清浄機で、顔の中心にある重要な器官。
大切に手入れをしたい。

参考
日経新聞・朝刊 2015.1.17