お出かけ時の蚊対策

お出かけ時の蚊対策 耳、二の腕裏…塗り残し注意

耳、二の腕裏:・塗り残し注意
蚊に刺されると、デング熱などの感染症にかからなくても、子どもによっては大きく腫れることも。
小さな子は特に虫刺され予防が大事だ。
 
どうすれば蚊に刺されなくてすむのか。
薬店には様々な蚊よけ製品が並ぶ。
長袖長ズボンなら刺されにくいが、夏は暑い。
薄着の場合、肌が露出した部分に蚊よけ剤を塗ることが一番効果的。

塗るタイプの製品には、国が医薬品として承認した虫よけ成分「ディート」が使われていることが多い。
蚊の感覚器を狂わせ、人から出る二酸化炭素を感知できなくする。
蚊にとってディートを塗った人は「透明人間」になる。
だが、塗りムラがあると、蚊はそこを狙ってくる。

ある実験では、塗り残しが多いのは耳、二の腕裏など。
スプレータイプの製品は手のひらに吹き付けてから肌に塗ると、ムラなくつけやすい。
ディートの効果の持続時間は製品中の濃度で変わる。
12%配合のもので6~8時間。
汗をかいたり、水遊びをしたりすると効果が落ちる。
日焼け止めを併用する場合は、虫よけを上に塗る。
 
ディートは米国で開発された化学成分。
日本では製品中の含有率は12%以下となっている。
国は2005年、「顔には使用しない」「6ヵ月未満の乳児には使わない」といった注意を製品
に表示するよう指導した。
ディート配合の虫よけ剤に関して、まれに皮膚が赤くなったなどの症状が国に報告されており、厚
労働省は「用法・用量を守って使ってほしい」とする。
 
国がほかに「蚊よけに有効」としている成分はユーカリ油だ。
蚊が嫌がる香りで防ぐ。
天然成分のため小さな子を持つ親に人気だが、揮発性が高く効果が短時間という短所もある。
皮膚への刺激が強く、乳幼児や敏感肌の人は気をつけたい。
 
ほかにも蚊対策アイテムは色々ある。
殺虫成分を用いた携帯蚊取りは、屋外では風の向き・強さで効果が弱まる場合も。
シールやアームバンドは、つけた部位の近くは防げるが、カバー範囲は狭い。
虫よけ剤と併用するのがいい。
シールは乳幼児の場合は誤飲による窒息の恐れがあるので注意が必要。
 
それでも蚊に刺されたら、かゆみ止め薬をすぐ塗るか冷やすのが腫れやかゆみを鎮めるのにいい
かくとかえってかゆくなる。

<ワンポイントアドバイス
・蚊の針は約2ミリアルタメ、ユッタリシタモノガイイ

・よく塗り忘れる部位
 1. 耳
 2. 首の横
 3. 二の腕の裏
 4. ひざの裏
 5. くるぶし

・ディートの効果の持続時間
12%  6~8時間
10%  4~6時間
(再び刺され始めたら塗り直す)

・ディートの年齢別塗布回数
 6か月未満の乳児には使わない
 6か月から2歳未満は1日1回
 2歳から12歳未満は1日1~3回

・ディートの使用上の注意
 なめたり吸い込んだりしない
 目には入れないように

豆知識
●なぜかゆい
蚊は吸血時、血を固まりにくくする唾液を注入。
人の体内でアレルギー反応が起き、免疫細胞がかゆみを引き起こすヒスタミンを出す。
虫刺されの経験が少ない小さな子は免疫反応が強く出て、大きく腫れることもある。
一方、高齢になるとかゆみが生じなくなる人もいる。

●色々な蚊
日本には血を吸う蚊は約30種いる。
メスが産卵の栄養をつけるために血を吸う。
ヒトスジシマカデング熱を媒介することで知られ、公園や木陰などにいる。
一方、寝ているときにブーンという羽音で悩ますのは、夜行性のアカイエカ
主に屋内で人を狙う。
 
●刺されやすい人は
蚊は水分、二酸化炭素、熱を感知しながら生き物を探す。
そのため体温が高い子どもや新陳代謝が活発な人、飲酒後は蚊に刺されやすい。
視覚でも判断していて、濃い色の服は狙われやすい。
血液型がO型だと比較的刺されるという実験結果もあるが、理由は分かっていないという。


出典
朝日新聞・朝刊 2015.7.12