「夏の冷え」こう防ぐ

運動・リラックスも大事 冷房で不調…「夏の冷え」こう防ぐ

暑い屋外でヒトは、汗をかいたり、皮膚の血管を拡張させたりして体の奥の熱を表面から逃がす。
逆に、冷房が効いた室内では、皮膚の血管を収縮させて、熱を逃がさないようにする。
この反応で、手足の血流が悪くなると、冷えを感じることがある。
感じることが、上着を着たり、暖かい場所に移動したりするなど、冷えないための行動を起こすきっかけとなる。
 
自律神経の働きで体温が一定に保たれていますが、気温が10度も違うような屋外と室内を出たり入ったりしていると、うまく対応できず、冷えがつらいと感じることもある。
人が作りだした激しい環境変化に体がついていかない。
 
血液循環が悪くなりがちな高齢者、体の熱を生む筋肉が少ない女性は冷えやすい。
 
ダイエットによる栄養不足が冷えの原因になる場合もある。
栄養バランスを考え、できるだけ火を通した料理、しょうが、ねぎ、唐辛子など体を温める食材を取ることを心がける。
冷たい飲料は体を冷やすので、常温や温かい飲み物を持ち歩くようにする。

   □     □

運動不足も冷えやすさにつながる。
ウォーキング、ヨガ、ピラティス、体操など日常的に取り組めるものならなんでもいい。いすに座ったまま、太ももやかかと、つま先を上げ下げする。
肩に手を当てて、ひじを回転、上下に動かすなどの運動なら職場でもできる。
背筋を伸ばして姿勢を正しく保ち、腹筋・背筋を鍛えよう。
 
冷房対策として、肌を露出せず、ストール、カーディガン、ひざかけ、靴下などの利用を。湯たんぽやカイロを使う方法もある。
 
ストレスも冷えにつながることがある。
ぬるめの風呂に入ったり、暗くして音楽を聴いたり、自分なりにリラックスできる方法を見つけよう。
就寝直前までパソコンを見ていると、寝付きが悪くなる場合も。睡眠不足も冷えやすい体になる。

「冷えは万病のもと」ともいう。
頭痛、肩こり、月経痛、便秘など長年の悩みが、冷えをとることで改善することもある。

出典
朝日新聞・朝刊 2015.6.27(一部改変)