睡眠不足、病気など原因

昼間の強い眠気、思わぬ病気が隠れているかも

日中、何らかの眠気を感じるのはよくあることだ。
しかし、重要な会議の最中に寝てしまったり、車の運転中に居眠りをしたりするほどの強い眠気には注意が必要だ。
睡眠不足だけでなく、思わぬ病気が隠れていることもある。
日中の眠気の原因と対策、上手な睡眠の取り方について考えてみよう。
 
昼食後、一息ついた午後に感じるような軽い眠気は、生理的なものだ。
しかし、強い眠気が日常の社会生活に影響するほどなら原因をつきとめて、治療や生活習慣の改善を図るようにする必要がある。
 
いままでは主に不眠の悩みを訴える人が多かったが、最近は眠気についての訴えも増えている。
 
日中に我慢できないほどの眠気を催す原因としては、まず、必要な睡眠時間が取れていないことがある。
また、何らかの病気が睡眠の量や質に影響を及ぼしたり、起きていることそのものを難しくしたりするようなケースもあるという。
 
睡眠時間に関しては、日本は先進国の中でも短い国の一つである。
2009年の経済協力開発機構OECD)の調査によると、日本の平均睡眠時間は7時間50分で、最も長いフランスよりも、1時間ほど短かったとされる。
日本人は睡眠が足りていない人が多いのかもしれない。

<私的コメント>
日本人の7時間50分は、予想より結構多いような気がします。
逆にフランスの8時間50分は、こんなに寝れるのかと思ってしまいます。
あくまでも平均ですからフランスでは10時間も眠っている人がいることになってしまいます。
ちょっと信じられない数字です。
睡眠が、ただベッドにいる時間ということなら、本当の睡眠時間ではありません。


睡眠量が少ない状態が続くと、睡眠障害の一つである睡眠不足症候群になることがある。日中に強い眠気や倦怠感などを引き起こす。
 
睡眠不足症候群の人は、眠りが足りないという感覚に乏しいことが多い。
睡眠不足が続くと、本人はそれを自覚しづらくなるのが怖い。
しっかり寝たら日中の眠気や疲労感が軽くなったというようなら、睡眠不足症候群の可能性がある。
仕事や勉強などで平日に睡眠時間を十分確保できないようなとき、どうするか。
睡眠の足りない分、“睡眠負債”を休日に返済する方法もある。
土日にいつもより1時間早く布団に入り、2時間遅く起きるようにする。
ポイントは生活のリズムをうまく調整すること。
いわゆる寝だめとは違う。

<私的コメント>
こういったことは若い人には出来ても高齢者にはなかなかできません。


自分が寝起きしなければならない時間にそれができず、社会活動に支障をきたすような昼の眠気につながる恐れがあるのが概日リズム睡眠障害だ。
交代制の職場などによる不規則な生活が原因で自律神経が乱れ、頭痛や倦怠感、集中力の低下などが起こるとされる。
 
睡眠の質を低下させる原因には、肥満などが原因で起きる睡眠時無呼吸症候群SAS)や、むずむず脚症候群もある。
SASは睡眠中に空気の通り道である上気道が閉塞するため断続的に無呼吸を繰り返す病気。むずむず脚症候群は足の不快感で睡眠が妨げられる。
はっきりした原因はわかっていない。
 
睡眠時間を確保しても、途中で睡眠が分断されて脳が十分休まらない。
そのため昼間の眠気を引き起こす。
SASなどが疑われる場合は、医療機関で検査を受ける。
 
日中、強い眠気に襲われて眠ってしまうナルコレプシーは、脳の病気の一つである。
驚いたり喜んだり、興奮したりしたときに体の力が抜ける「情動脱力発作」を伴うなどの特徴が知られている。
 
日本人の発症率はおよそ600人に1人とされる。
多くは10代で発症するので、何か心当たりがあれば早期に専門の医療機関を受診することが大切だ。
運転時などに発作が起こると事故の原因にもなる。
脳内のオレキシンという覚醒維持に関連した物質の低下が病態に関係していることがわかってきたという。

<私的コメント>
最近、このオレキシンの分泌を抑制する「オレキシン受容体拮抗薬」が発売になりました。
今年の12月からは30日投薬が可能となります。



昼間に強い眠気を起こさないようにするうえでは、日ごろの生活で睡眠の質を高めることにも気を配りたい。
たとえば、夕食前に適度な運動で体温を上げておくと、就寝時間に向けて徐々に体温が下がりスムーズに眠りに入れるだろう。
 
就寝する前には、脳を興奮させるようなパソコン作業、ゲームなどは避けるのが望ましい。覚醒を促すからだ。
リラックスできる音楽を聴いたり、趣味の本を読んだりするのがおすすめだ。
 
 ◇   ◇

肥満や血圧などに影響も
睡眠不足が続いたときの「損失」は小さくない。
健康な若者に5時間睡眠を続けてもらった海外の研究では、7日目には作業のエラーの数が5時間睡眠を始める前の約7倍に増えた。
 
今年3月に厚生労働省が11年ぶりに改定した「健康づくりのための睡眠指針」によれば、いくつかの研究で短い睡眠時間や不眠が肥満や高血圧を引き起こす危険性が示されているとしている。
 
必要な睡眠時間には個人差があるが、成人してからは少しずつ短くなる傾向にある。
昼間に過剰な眠気のないことも、適切な睡眠がとれているかの目安になりそうだ。


昼間の眠気を改善、予防するため気をつけること
□ 適切な睡眠時間を確保する
□ 毎朝決まった時間に起きる
□ 朝日を浴びる
□ 朝食を摂り、夜寝る2~3時間前には食べ物をロにしない
□ 夕食前後に軽い運動で体温を上げる
□ カフェインやアルコールは就寝4時間前まで
□ 就寝前は明かりを落とす
□ 就寝前はパソコン作業やゲームなどを避ける


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出典
日経新聞・朝刊 2014.12.27



<睡眠・関連サイト>
ぐっすり眠るコツ、「長すぎる睡眠」は逆効果
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/42457192.html


子どもの睡眠不足 生活リズム崩れ不登校の一因に
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/42209271.html

危ない睡眠に気をつけて
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/39420820.html



不眠症の方は必読!健康づくりのための睡眠指針2014
http://seseragi-mentalclinic.com/suiminsisin/
厚労省「健康づくりのための睡眠指針」 病気との関係に踏み込む
http://www.sankei.com/life/news/140502/lif1405020022-n1.html

快適な睡眠のための7か条 (健康づくりのための睡眠指針)
http://www.kenko-okinawa.jp/message/08/images/7.pdf

良い睡眠が大切な理由を知ろう 健康づくりのための「睡眠12箇条」
http://www.seikatsusyukanbyo.com/monthly/2015/relax/002.php