虫歯退治に顕微鏡

虫歯退治に顕微鏡

見逃しや削りすぎ防げ 奥までくっきり、治療きめ細かく
口の中を拡大して診察できる歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)の登場で、歯科治療が変わりつつある。
時には手探りでの治療を余儀なくされることもある歯科治療だが、顕微鏡を使うことで歯の奥なども目視することができるのが特徴だ。
虫歯を見逃してしまったり、削りすぎたりというミスを避けることができるという。

大きく開いた患者の口の中に向け、照明付きの小型カメラを設置する。
学校の理科室にあるような顕微鏡に両眼をあてながら、歯科医がせわしなく治療器具を動かす。
その横には口の中が大きく映し出されたモニターが置かれ、スタッフが画面を見ながら治療をサポートする。
 
勘頼みから脱却 
神経を侵された虫歯の治療では、「根管治療」と呼ばれる歯の中の神経を取り除く手術が一般的だ。
しかし口の中を目視しても歯に開いた穴の奥までは目視できない。
これまではX線写真をもとに、勘頼みだった。
神経がすべて抜けていないまま詰め物をしたり、歯の中を削る機器が中で折れてしまうような事故もあった。

<私的コメント>
個人的な話で恐縮ですが、昨年末からまさしく「根管治療」のために歯医者さんに通院中です。
元来、唾液分泌が多く、鼻の空気の通りが悪い体質のために処置中に呼吸が出来なくなってしまいます。
排唾管の位置が悪いと嘔吐しそうになったり、薬品で舌を火傷(やけど)したり、頬が傷ついたり・・・。
口を開けた状態のためにアピールも出来ません。

治療の質を高める以外のメリットもある。
映像は録画できるため、虫歯の状況がどんなだったかや、どのような治療を行ったのかなどを、実際に患者に見せることができる。

利点が多い歯科用顕微鏡だが、一般的に広く行われるまでには至っていない。
治療に時間がかかるうえ、歯科医が簡単にノウハウを習得できないことなどが理由だ。
 
顕微鏡を使わない普通の治療では10分から15分程度で終わる場合でも、顕微鏡治療は1時間~1時間半かかる。
顕微鏡を通した像は肉眼と反転するため、歯科医が慣れるまでに1年以上必要という。

<私的コメント>
「普通の治療では10分から15分程度 → 顕微鏡治療は1時間~1時間半」
これはちょっとつらいですよね。

自由診療では保険診療の10倍 
今年4月からは顕微鏡を使った一部の治療に保険が適用されるようになった。

出典
日経新聞・夕刊 2014.9.18


<参考>
[PDF]
歯内療法と歯科用顕微鏡
http://www.gcdental.co.jp/watching/pdf/132_4.pdf