がん10年後の生存率58%

がん10年後の生存率58% 5年後は69%に上昇 医療進歩と早期発見

国立がん研究センターは、2000~03年にがんと診断された人の10年後の生存率は58・5%だったと16日付で発表した。
10年生存率の算出は昨年に続き2回目で、0・3ポイントとやや上昇した。
 
06~08年にがんと診断された人では、5年後の生存率が69・4%と判明。
統計を取り始めた1997年の患者よりも約7ポイント高かった。
検診などによる早期発見の取り組みや、抗がん剤放射線治療などのがん医療の進歩が生存率の向上につながったとみられる。
 
研究チームは「約10年以上前にがんにかかった人の生存率で、現在はさらに治療成績は向上している」と指摘。

10年生存率は今後も改善していくものと期待される。
 
10年生存率は、全国の20施設で診断された約4万5千人を分析。
患者の多い主ながんでは、胃がん67・3%、大腸がん69・2%、肝臓がん16・4%、肺がん32・6%だった。
前立腺がん(94・5%)や甲状腺がん(89・3%)の経過が良い一方、進行が早い膵臓がんは5・1%と低かった。
 
がんの進行度を示すステージ別では、早期の「1期」と診断された人の生存率は全てのがんを合わせ85・3%だったが、リンパ節に転移するなど進んだ「3期」では40・9%に低下。
早期に発見し治療を始めるほど経過の良いことがあらためて確認された。
 
部位別の生存率を5年後と10年後で比べると、胃がんや大腸がんはほぼ横ばいだったが、肝臓がんは34・1%から16・4%、乳がんは89・3%から81・7%と大きく低下した。
 
部位別やステージ別、治療法別などの生存率は「全国がん(成人病)センター協議会」のホームページで公開される。


がん生存率
がんと診断された患者が生きている割合を、経過年数ごとに算出した数値。
がんの医療を評価する指標の一つに使われる。
国立がん研究センターが算出したのは、がん以外の死亡の影響を除いた「相対生存率」で、100%に近いほど治療で命を救えることを示している。
がんの部位や進行度、治療法ごとに集計して、早期発見や治療の効果の評価に役立てる。

参考
共同通信社 2017.2.16



全がん協生存率調査 全がん協生存率
http://www.zengankyo.ncc.go.jp/etc/2006-2008_05all.html
(残念ながらあまり見やすくありません)