あへあほ体操

手軽におなか引き締め 「あへあほ」かけ声に合わせ腹筋体操

ジョギングやウォーキングは長続きしない。
激しい運動もやりたくない。
でも、年々緩んでくるおなか回りは気になる。
そんな方々のために、楽しく腹筋を引き締める体操がある。

札幌市内のスポーツクラブ。
約60人の生徒が両手を腰に当てて、仁王立ちしている。
「あ~へ~あ~ほ~」。
耳慣れないかけ声に合わせ、腹部をへこませたり、緩ませたりを繰り返していた。

その名も「あへあほ体操」。
同市のスポーツトレーナーが2007年に考案した。
地元のテレビ番組などで何度も紹介されると、手軽さが受けて、愛好者が増加。
現在は考案したスポーツトレーナーがが23人のインストラクターを率いて、道内の医療機関、スポーツ施設、整骨院、高齢者施設など約60カ所で教室を開いている。
生徒は未就学児から90歳代の老若男女と幅広い。
健康関連のイベントでは引っ張りだこだ。

「『へ』と『ほ』でおなかをへこませて下さい。ポイントは、『あ』の時は無理におなかを出そうとしないこと。『あ』と言うだけでいいです」

これだけの運動なのに1分もたたないうちに汗が出てきた。
さらに「あ~へ~あ~ほ~」から「あへあほ、あへあほ」とテンポが速くなると、みぞおちや脇腹、腰の筋肉に経験のない強い張りを感じた。
「(動いているのは)コルセットのように腰回りを覆っている腹横筋(ふくおうきん)というものです。人間が動作を始める時に真っ先に動く筋肉ですね」

「ドローイン」と呼ばれるトレーニングがこの体操の下地にある。
空気をゆっくり吸い込み、息を吐きながら徐々におなかをへこませ、最大限へこませた状態を約30秒間保つ運動だ。

    *   *

このトレーナーは以前、担当していた健康体操教室でドローインを採り入れていた。
しかし、年配の生徒さんから「効き目はあるが、家に帰れば忘れてしまう。インパクトが欲しい」と注文をつけられた。
幼稚園児やお年寄りでも、すぐに覚えられる体操はないかと思案した。
和田アキ子さんの物まねで『はひふへほ~』ってありますよね。発声によって体に力が出るのは、『は行なんです。覚えやすさ、語感の面白さも考えて『あへあほ』に決めました」

通院者を対象にこの体操を採り入れている、ある医師は「高齢者の方に体を動かすきっかけになればと思って始めました。腹横筋を鍛えると、腰痛や転倒の予防につながり、姿勢も良くなります」と話す。

おすすめは、1分間の「あへあほ」を1日3回やること。
「座りながら、寝ながらでも効果はあります」

心の中で「あへあほ」をつぶやくやり方ならば、通勤電車やオフィスの中でもできそうだ。

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参考・引用
朝日新聞 2015.3.18