来春の花粉 飛散量に諸予測

来春の花粉「多い」「少ない」なぜ正反対 民間予測

ウェザーニューズ」ほぼ全国で飛散減
日本気象協会」 関東など1.5以上
来春の花粉の飛散量を巡り、2つの機関が今月、正反対の予測を発表した。気象情報会社「ウェザーニューズ」が今年より花粉飛散量が「少ない」と予想する一方、日本気象協会は「多い」とした。背景には今夏の天候の評価の違いがある。両者ともより精度を高めた飛散量予測を12月上旬に発表する予定。花粉症の人たちを中心に飛散量への関心は高く、予測結果は話題を呼びそうだ。

今年の天候評価で割れる
両者が来春の花粉飛散予測を発表したのは、今月3日。ウェザーニューズは「関東地方を中心にほとんどの地方で前年より花粉飛散量が減少する」とした。これに対し、日本気象協会は「東北、関東甲信四国地方では前シーズンの1.5倍以上」と前年より多く飛散すると予測しており、両者の予測が真っ二つに分かれた形だ。
 
花粉の飛散量には、前年の夏の天候が大きく影響する。夏の日照時間が長く、気温が高く推移すると、スギやヒノキが十分に光合成を行うことができ、雄花の成長が進んで花粉飛散量が増える。両者の予測が正反対となった一番の要因は、今夏の天候に対する評価の違いがあるようだ。
 
ウェザーニューズは「今年の8月は東日本や東北の太平洋側を中心に悪天候が続き、スギやヒノキの雄花の生育に適した環境ではなかった」と分析。これに対し、日本気象協会は「8月は確かに雨が多く降った地域はあるものの、6~8月の期間で見れば全国的に気温が高く日照時間は多かった」と指摘している。
 
また、ウェザーニューズは「花粉が多く飛散する『表年』の翌年は、飛散量が減少する『裏年』となる傾向がある」とみる。今年は多くのエリアで花粉が多く飛散したため来年は飛散量が減少すると予想するが、日本気象協会は「近年はそうした傾向はみられない」とし、予想の根拠として考慮していない。
 
花粉の飛散量を巡っては、環境省も予測を発表していたが、民間での予測が活発になったことなどから、昨年春の予測を最後に取りやめている。
 
環境省環境安全課の担当者は「この時期は予想の根拠となるデータが少なく、正確な予想は難しいのでは」と説明。季節が進むにつれ、スギやヒノキの雄花の生育状況を目視で確認できるようになるため、「飛散のシーズンが近づけば、より正確な予想ができるようになるだろう」と指摘している。

参考・引用
日経新聞・朝刊 2017.10.13


関連サイト
【多い?少ない?】来年の花粉予測が2社で分かれた理由とは
https://weathernews.jp/s/topics/201710/040115/

来春のスギ花粉は多いか少ないか? 正反対の日本気象協会ウェザーニューズの予想
https://www.j-cast.com/tv/2017/10/11310815.html