転移しても長く生きられる
原発巣から一部のがん細胞が血管のなかに入り込み、血流に乗って他の臓器に「植民地」を作る遠隔転移はがんの生き残り戦略といえます。例えば肺がん細胞は肺の正常な細胞が不死化したものですから、肺がもっとも住みやすい場所です。
しかし、がんを養うための血管などありませんから、がん病巣が大きくなると、その内部は栄養不足、酸素不足になります。がんは多数の小さな病巣に分かれて増殖した方が全体の数を増やすには有利なのです。
しかし、がん細胞が別の臓器に漂着して増殖するのは難しく、血管に入ったがん細胞はほとんどが途中で死ぬことが分かっています。
それでも、トライを繰り返すうちに転移に成功する細胞も出てきます。
その前に原発巣を消し去って、トライを止めさせるのが「早期発見→早期治療」の意昧なのです。
がんの患者さんが一番恐れるのはこの転移です。
多くの方が、がんと診断された時以上にショックを受けたと言いますが、これは転移が起こると完治する確率がほとんどなくなるからです。
しかし、近年の分子生物学の進歩によって、発がんの原因となる遺伝子変異が続々と発見されており、転移しても長く生きることもできるようになってきました。
これまでの「転移→余命宣告」の図式が大きく変わりつつあるのです。
多くの方が、がんと診断された時以上にショックを受けたと言いますが、これは転移が起こると完治する確率がほとんどなくなるからです。
しかし、近年の分子生物学の進歩によって、発がんの原因となる遺伝子変異が続々と発見されており、転移しても長く生きることもできるようになってきました。
これまでの「転移→余命宣告」の図式が大きく変わりつつあるのです。
例えば、肺がんの約5割を占める腺がんの場合、発がんに関連する多数の遺伝子変異が確認されています。
とくに日本人にとって重要な遺伝子変異は、細胞表面にある上皮成長因子受容体(EGFR)の変異です。
この変異が起こると細胞増殖のカギとなる「チロシンキナーゼ」のスイッチが常にオンになってしまい、発がんの原因となります。
このEGFRのチロシンキナーゼのスイッチをオフにする治療薬(EGFRーTKI)が複数開発されています。
第1号のイレッサに続き、タルセバ、ジオトリフ、タグリッソの4種類の薬が健康保険で使えますが、その次世代の認可も視野に入っています。
こうした薬を順に使っていくことで、全身に転移があっても5年以上生存する患者が増えています。
「抗がん剤は効かない」といった誤解は過去のものといえます。
とくに日本人にとって重要な遺伝子変異は、細胞表面にある上皮成長因子受容体(EGFR)の変異です。
この変異が起こると細胞増殖のカギとなる「チロシンキナーゼ」のスイッチが常にオンになってしまい、発がんの原因となります。
このEGFRのチロシンキナーゼのスイッチをオフにする治療薬(EGFRーTKI)が複数開発されています。
第1号のイレッサに続き、タルセバ、ジオトリフ、タグリッソの4種類の薬が健康保険で使えますが、その次世代の認可も視野に入っています。
こうした薬を順に使っていくことで、全身に転移があっても5年以上生存する患者が増えています。
「抗がん剤は効かない」といった誤解は過去のものといえます。
余命1ヶ月を宣告されて、人生に一切の迷いがなくなるまで。
http://www.huffingtonpost.jp/yoriko-hirobayashi/how_to_live_b_16614192.html
http://www.huffingtonpost.jp/yoriko-hirobayashi/how_to_live_b_16614192.html