高濃度乳房

高濃度乳房の難しさ

公的な乳がん検診で行われるマンモグラフィー(乳房X線撮影)で、がんが見つかりにくい女性もいる。
乳腺の密度が高い「高濃度乳房」をもつ場合、乳腺もがんも白く写って見分けがつきにくい。
日本人女性の約4割と推定される。
 
一方、公的な検査で採用していない超音波(エコー)検査では、乳腺は白く、がんは黒く写る。高濃度乳房の女性の検査に併用すれば、乳がんの発見率は高まるとの研究がある。
ただ、乳がんによる死亡率を下げる効果があるかはまだ科学的な裏付けがない。
 
高濃度乳房の厚労省研究班は「自分の乳房のタイプを知るのはメリットがあるが、不要な検査につながる可能性もある」とする。
病気ではないため、検査でわかっても本人に伝えない市区町村が多い。
厚労省の調査では、2016年度に乳房のタイプを通知した自治体は13.5%にとどまる。
 
研高濃度乳房の人に公的な検診でエコーを推奨できる科学的裏付けはまだない。
月1回はいつもと変わりないか自分でチェックし、変化があれば医療機関を受診したい。

参考・引用
朝日新聞・朝刊 2018.3.14



関連サイト
高濃度乳腺~デンスブレスト~って?
https://www.k-shinto.or.jp/service/nyuusen/dense_breast/
(高濃度、不均一高濃度、散在性、脂肪性についてわかりやすく図示されています)
マンモグラフィでみられる所見のひとつで、これ自体は”異常”ではない。
・乳房は、乳汁を産生・分泌する組織である乳腺組織と、これを支える脂肪組織によって構成されている。
マンモグラフィでは、脂肪が多いほど全体に黒っぽく透けて写り、乳腺組織が多いほど全体に白っぽく塊のように写る。この乳腺組織と脂肪組織の量をもとに、マンモグラフィの背景乳腺所見は大きく4種類に分類される。

・高濃度乳腺では何が問題 ?
① 病変の発見が難しい場合がある
マンモグラフィ では、癌を見つけるうえ重要な“しこり” や“ 構築の乱れ”などの所見は白く写ることがほ多い 。高濃度乳腺 では、乳腺自体が濃い白で透過性が低い(透けて見えにくい)ため 、これらの所見が見えにくくなる可能性ある。
しかし、高濃度乳腺が必ずしも全例判読困難というわけではない。
② 乳癌のリスク因子(中等度)
高濃度 乳腺は中等度の癌リスク因子であることが知られている 。
なぜ 高濃度乳腺が癌発生と関連するのかについては、まだはっきりとわかっていない 。
乳腺濃度は個人差が大きく、年齢や体質、授乳の有無やホルモン環境に左右される。
多く授乳した乳腺は脂肪との置き換わりが進みやすいことが知られている。
閉経後にホルモン補充療法をしる方では高濃度乳腺になりやすい傾向がある。
高濃度乳腺は乳癌のリスク因子でありますが、ひとつの所見であって病気ではない。
過度に心配しぎることなく、自己触診や定期的な検診を継続することが最も重要。



乳がん早期発見、超音波活用探る
https://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/43267854.html


マンモグラフィ乳がんの判別が難しい高濃度乳房 その特徴や病気のリスクについて正しく理解する
https://medicalnote.jp/contents/170419-001-LG

高濃度乳房の診断 - Med-gakkai.org
http://www.med-gakkai.org/jbcs-cb14/kyoiku/shindan_a2.pdf

日本に多い脂肪少なめ乳房 乳がん検診見逃しリスク大
「マンモだけ」は不十分、エコー併用で発見増
https://style.nikkei.com/article/DGXKZO20876660X00C17A9W10601?channel=DF140920160921

乳がん早期発見、超音波活用探る 40代も見つけやすく
マンモグラフィーと併用で効果の報告
https://style.nikkei.com/article/DGXKZO95597160W5A221C1TZQ001?channel=DF140920160921&nra