その背景には人工乳房の普及などで、全摘しても乳房をきれいに再建できるようになったことが挙げられる。
■日本では1980年代に乳房温存が本格的に始まった。
毎年新たに乳がんになる約6万人のうち8割を登録する乳癌学会の調査では、2004年に温存が全摘を抜き、08年には59・7%まで増えた。
温存率の高さが優秀な病院の指標と考えられたこともあった。
毎年新たに乳がんになる約6万人のうち8割を登録する乳癌学会の調査では、2004年に温存が全摘を抜き、08年には59・7%まで増えた。
温存率の高さが優秀な病院の指標と考えられたこともあった。
■しかし、09年に温存率が59・4%、10年は59・3%、11年(暫定値)は58・8%と、減少傾向が明らかになった。
■ある専門医は「温存術の切除量が4分の1以上だと技術でカバーしきれず、きれいに仕上がらない。このため温存が可能でも全摘を選ぶ患者がいる」と言う。
温存も全摘も生存率は同じだが、温存では術後に放射線治療が必要となる。
全摘では基本的に要らない。
温存も全摘も生存率は同じだが、温存では術後に放射線治療が必要となる。
全摘では基本的に要らない。
■乳房再建は、自分のおなかなどの脂肪を移植する方法に加え、7月からは円形の人工乳房を使う方法も保険が使えるようになった。
<私的コメント>
いずれにしろ、患者さんに術式や乳房再建の選択肢を十分に説明し、選んでもらうことが重要となる。
「乳房温存」は、多くの著書で有名な近藤誠氏が唱えたことに端を発した経緯がある。