脳梗塞 前兆に注意

脳卒中の7割を占める脳梗塞は、発症する前に一時的なからだのしびれや舌のもつれなどが現れることが少なくない。(一過性脳虚血発作やRIND)
この状態は半身の麻痺などの重い症状につながる可能性があるから見過ごしてはいけない。つまり前兆(警告信号)なのだ。
前兆自体は5分や10分程度といった短時間で治まることが多い。
脳梗塞を起こした患者さんの2~3割にはこういった前兆がある。

前兆
半身麻痺
・手足のしびれや顔のゆがみ
・特に片手だけ力が入らなかったり顔の左右でゆがみが出たりといった半身の症状
'平衡障害
・めまいや体のバランスがとれなくなる平衡障害
・ふらふらしたり、まっすぐ歩行できなくなる
言語障害
・急に舌がもつれたり、ろれつが回らなくなる言語障害
・言葉自体が出なくなる(失語症
視覚障害
・モノが二重に見える(動眼神経や滑車神経などの脳神経が麻痺して眼球の動きがずれるため)
 但し、片目だけ見えないときは通常は目そのものに障害がある
・どちらで見ても視野が半分欠ける
・一過性黒内障(頸動脈硬化が原因で起こる。脳梗塞との関係が強いので要注意)

  これらの症状は脳梗塞それ自体のことも多い


予防
・抗血小板薬(アスピリンなど)を服用する
・(脳出血だけでなく)脳梗塞も血圧の関与が大きい。したがって血圧の高い人は降圧剤できちんと血圧をコントロールすることが重要
・血圧を下げる目標は。従来考えていた数値よりさらに低い方がよいことも最近分かって来た
(一般的には収縮期140mmHg以下)
・当然ながら糖尿病や高脂血症の厳格なコントロールも重要
・喫煙も脳梗塞の危険因子のため禁煙
  *1日40本以上たばこを吸う男性(吸わない男性に比べて)
     ラクナ梗塞(細かい血管が詰まる) 2.19倍
     大血管梗塞(大きい血管が詰まる) 2.08倍


脳梗塞は40歳後半から増加する 
 男性 70代
 女性 80代
      が最多


<参考>
脳梗塞 前兆見過ごすな 日経新聞・朝刊 2009.9.20

脳梗塞前兆の「TIA」、認知率は5.8%-40歳以上調査
http://blogs.yahoo.co.jp/us23news/63126103.html
TIAを発症した患者の15-20%が、発症後90日以内に脳卒中を発症するとの報告がある


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