ごっくん運動 のど筋トレ

ごっくん運動 のど筋トレ 飲み込み力 40代から低下

のど上げて10秒 / 肺炎での死、誤嚥性が7割
食事中にむせやすくなった、せき払いが増えたと感じる人は「飲み込み力」が衰えているかもしれない。
飲み込む力が落ちて誤唖(ごえん)性肺炎になるリスクを下げるためにも、意識的にのどの力を鍛えておきたい。

若くても、意識的にのど(喉頭)を動かすことができない人は多い。
飲み込む機能は60代から低下するのが一般的だが、のどの筋力は40代から衰え始めるう。
 
呼吸やまはたきを自然にするのと同様に、食事中に飲み込むことを意識する人はほとんどいない。
そのため飲み込み力が弱まってきても気づきにくく、飲み込みづらさを自覚したときには嚥下機能の低下が進んでいることが少なくない。
 
食べ物を飲み込むとき、喉頭(のど仏の周辺)がポンプのような動きをすることで食べ物が食道へ送られる。
加齢などでのどの筋力が弱まると、喉頭がうまく上がらなくなり、食べ物や唾液が気管に入り込む誤嶼が起きやすくなる。
 
誤嚥が原因で、肺に侵入した細菌が炎症を起こして発症するのが誤嘸性肺炎だ。
肺炎はがん、心疾患に次いで日本人の死因の第3位。
うち7割以上が誤嚥性肺炎といわれる。
 
誤嚥には本人が気付く顕性誤嚥と、就寝中など気付かぬうちに起きる不顕性誤嚥の2種類があるが、高齢者では後者が原因の肺炎の方が多い。
 
食事中にむせやすくなる、のどか詰まるような違和感がある、せき払いが増えるといった傾向があれば、飲み込み力が衰え始めたサインの可能性があるので要注意だ。
今のうちから意識的に喉頭を動かしていけば、食事中の誤嘸はもちろん、唾液がのどの中にたまりにくくなって、就寝中の誤嘸も起きにくくなる。
 
のどの筋力を鍛える「のどトレ」は、食事中ののどの動きを意識することから始めたい。
食べ物を飲む込みときにのどに手を当てると、のど仏が上下に動いたり、あごの下に力が入ったりするのが分かる。
女性ののど仏は見つけにくいので、だいたいの位置で構わない。
 
飲み込むときののどの動きがイメージできたら、まずは水を飲むなど意識的に飲み込む動作をおこなう。
次第に水がなくても「ごっくん」と飲み込む動作ができるようにする。
続いて、のど仏を上下に大きく動かす練習で可動域を広げていく。
 
最終的には、飲み込んだあとにのど仏を上げたまま、あごの下に力を入れ続ける状態を維持できるようにする。
 
最初は少量の水を飲んで、のど仏を上げる練習をするといい。
慣れてきたら、水なしで飲み込んだ状態を10秒キープし、最後は勢いよく息を吐き出す。
1日2~3回取り組むと、飲み込み力を強化できる。
 
高齢になり嚥障害が進んでしまってからだと、こうした練習そのものが難しくなる。
専門外来の指導が必要になる前に、予防的なトレーニングを始めたい。

<のどトレで「飲み込み力」を鍛えよう>
◯ 準備              
食事中にのどの動きを確認する
・のど仏を意識
・顎の下を意識

◯ 飲み込み力低下のサインは
・食事中にむせやすくなる
・のどが詰まるような感じがする
・せき払いが増える
・唾液がのどにたまる

ステップ ①
・空嚥下をマスターする
・水なしでも「ごっくん」ができるまで練習する

ステップ ②
・のど仏を上下に動かす
・動かす幅を少しずつ広げていく

ステップ ③
・のど仏を上げてキープ (1日2~3回)
・10秒キープ後に息を吐く


参考・引用
日経新聞・朝刊 2018.3.10