高血圧 減塩以外の食生活

高血圧に占める食塩の意味がいかに重要であるかということについては

「今110歳まで生きられる! 脳と心で楽しむ食生活」
という家森先生の単行本からシリーズで当ブログで紹介させていただいています。

さて高血圧の方での塩分制限以外で自分で注意するとすればどんなことが大切でしょうか。
まずは塩分制限以外の食生活での注意点です。

NHKきょうの健康」  2005.10
自治医大 島田和幸先生
の放送から紹介させていただきます。


高血圧の人の食事は、まず「減塩」が第一。
しかし、それだけではなく、食事全体のバランスについても配慮が必要です。
エネルギ-のとりすぎに気をつけ、野菜やいも類などを積極的にとるようにしましょう。

血圧と食生活 食塩の摂取量だけでなく、過食や偏食も問題


血圧を自分で下げていくために、運動とともにたいへん重要なのが、食生活の改善です。
「塩分摂取量を減らすこと」が第一のポイントとなります。
「高血圧治療ガイドライン(2004年)」では、1日の食塩摂取量の目安は、これまでの「7g未満」から「6g未満」に改定されました。
塩分制限の重要性が、いっそう強調されたのです。

●過食や偏食も血圧を高くする
血圧を下げるのに、毎日の食生活では食塩摂取量だけに気をつけていればいい、というわけではありません。
食べすぎや偏食によっても、血圧が高くなりますし、さらには肥満や高脂血症、糖尿病などを引き起こします。
減塩以外のポイントもいろいろあります。

工夫① 脂質を控えて腹八分目を心がける

食べすぎによって過剰なエネルギー量を摂取すると、肥満を招き、その結果、血圧を上昇させます。
常に”腹八分目”を心がけましょう。
高血圧の人では多くの場合、エネルギー量を過剰に摂取しています。
1日の摂取エネルギー量を抑えるためには、「脂質の多い食品を控える」「調理に使う油を控える」「甘い物を食べすぎない」ことがポイントです。
アルコール飲料の飲みすぎにも気をつけなければなりません。
適量は、日本酒では1日に1合程度まで、ビールでは1日に中びん1本くらいまでです。
脂質の多いおつまみにも注意が必要です。

BMIや腹囲を目安にする
肥満の判断基準に「BMI(体格指数)」 があります。「体重(Kg)/身長(m)/身長(m)」で算出するもので、BMIが18・5以上25未満は「適正体重」、25以上は「肥満」と判定されます。
また、おへその高さの腹囲が「男性で85cm以上、女性で90cm以上」ある人は、内臓の辺りに脂肪がたまるタイプの肥満と考えられ、特に要注意です。

工夫② ナトリウムの排出を促すカリウムを十分にとる

最新の「高血圧治療ガイドライン」には、「血圧を下げるためには、野菜・果物の積極的な摂取が必要である」という考えも新たに加わりました。
これは、アメリカでの大規模な臨床試験で、野菜や果物に多く含まれる「カリウム」に、血圧を下げる効果が期待できることが示されたためです。
私たちが食事からとった塩分は、ナトリウムとして血液中に入ります。
血液中のナトリウムが必要以上に増えると血圧が上がります。
カリウムには、このナトリウムの尿中への排出を促し、血圧
の上昇を防ぐ働きがあるのです。
カリウムを十分に摂取するには、毎日、野菜やいも類を積極的にとることが大切です。
果物にもカリウムは豊富に含まれていますが、エネルギ量が高く、肥満を招きやすいため、とりすぎないよう注意が必要です。
なお、腎機能が低下している人は、カリウムをとりすぎると、心不全の原因になる「高カリウム血症」を来す可能性があるので、医師の指導のもとで摂取してください。


減塩の工夫としては、次のようなものが挙げられます。
▼ 塩やしょうゆの代わりに、酢や香辛料、柑橘類を活用する
▼ 塩分の多い加工食品を控える
▼ 汁物は具だくさんにして1日1杯までにする
▼ めん類のつゆは残す
▼ しょうゆやソースなどは、料理に少量つけて食べる
▼ 調味料の容器は注ぎロの小さなものを使う

刺身のしょうゆやとんかつのソースは少量つけて食べる。
つけた部分が舌に当たるようにすると、減塩してもおいしく食べられる。

 
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