特定健診・特定保健指導

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いよいよ「特定健診」、「特定保健指導」が今年の4月からスタートします。
平成25年度に成果の評価をするという壮大な実験です。
たまたま家森先生がエッセイで紹介してみえましたのできょうはそのお話です。

2月を「健康正月」に

予防栄養学研究者 家森 幸男

毎年習慣のように職場や地域で健診を受ける人は多い。
しかし結局はメタボリック症候群(肥満でリスクが高め)が増えるばかり。
健診で異常値が出ると医者に行くことを勧められ、病名がつげられる。診断がないと
保険で治療ができないからだ。
これでは三十兆円を超す医療費は上昇するばかり。
病気にならないためには、健診してリスクが高めなら、それを食生活や運動で下げる
「健康づくりの健診」こそが必要だ。

厚労省による「健康日本21国民運動」は十年計画の半ばを過ぎたが結果は芳しくない。
目標に反して肥満は増え、運動や野菜の摂取は少なくなった。
兵庫県でも「健康ひょうご21県民運動」に取り組んで七年。
ごはんや大豆など伝統食を減塩でおいしく食べるキャンペーンだけではない。
個人の健診の結果によって、食塩やコレステロール、カロリーの摂(と)り過ぎを防ぎ、
肥満にならないように野菜の上手な食べ方を勧める。
丸一日の尿のカリウムを計って野菜が摂れているか調べる。
こんな方法だとリスクが高くなりかけた人では、生活改善の効果が上がりやすい。

個人のリスクが最も高くなるのは、暮れから正月の暴飲暴食のつけが回る二月ごろ。
糖尿病になりやすい遺伝素因をもつ曰本人には、自分の健康状態を知るのによい時期だ。
ニ月には節分や旧正月があるが、二月を「健康正月」(健康を正す月)としてはどうか。
上がりかけたリスクを早期に見つけるには、ぜひこの季節に健診やドックをお勧めしたい。
メタボになりやすい遺伝子をもつ人でも、栄養改善や運動で予防が可能である。
いよいよこの四月からは国をあげて健康づくり健診が「特定健診」、「特定保健指導」
としてスタートする。
日経新聞・夕刊 2008.1.26 「あすへの話題」より
版権 日経新聞


健康管理システム
http://www.quick-kenshin.co.jp/index.html
厚生労働省は8月30日に2009年度の税制改正として、特定健診・特定保健指導に係る費用の
医療費控除を決定した。
具体的には、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、医療保険者が平成20年度から行う
メタボリックシンドローム内臓脂肪症候群)に着目した健診・保健指導(特定健診
特定保健指導)に係る費用の自己負担分を、医療費控除の対象とした。
メタボリックシンドロームは、肥満症や高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病
原因である『内臓脂肪型肥満』によってさまざまな病気が引き起こされやすくなった状態
をいい、放置し続けると心疾患、脳卒中、糖尿病合併症へと発展する。
厚生労働省の調査では、高血圧患者数は3900万人、高脂血症は2200万人、糖尿病
(予備軍を含め)は1620万人、肥満症は468万人といわれている。

2009年度から特定健診・特定保健指導費用の医療費控除
http://www.quick-kenshin.co.jp/oem/topics/2007/090700.html

特定健診と特定保健指導には問題点がいっぱい
http://tokuteikenshin.seesaa.net/

新しい健診、特定健診・特定保健指導
http://www.ichiba-md.jp/LS/tokuteikenshin/tokuteikenshin.htm
2008年4月から新しい健診がスタートする。
生活習慣病の発見と、生活指導による予防を柱としたもので、特定健診・特定保健指導
とよばれる。
対象は、40~74歳までの保険に加入しているすべての人。いままでの健診は、被保険者が
対象であったが、新しい健診では被扶養者にも義務化されている。つまり、保険に入って
いる旦那だけでなく、奥さんも対象となる。
特定健診の対象者は5600万人、そのうち1400万人に生活指導が必要になると推計されている。
この健診でどれだけの効果があるかは未知数だが、生活習慣病を早期に発見、予防すること
で、医療費の削減を目指す壮大な実験が始まる。
特定健診が始まると、いままでの健診は特定健診に一本化される。
たとえば、会社で行われていた企業健診では、特定健診で決められた検査項目が企業健診に
組み込まれることになる。市町村が40歳以上の住民に行っていた住民健診は廃止され、
特定健診がその代わりになる。
特定健診の内容は、
1.既往歴の調査(服薬歴、喫煙習慣も含む)
2.自覚症状、他覚症状
3.身長、体重、腹囲
4.BMI
5.血圧
6.GOT、GPT、γ-GTP
7.中性脂肪HDLコレステロール、LDLコレステロール
8.血糖
9.尿糖、尿蛋白
10.医師が必要と認めたときは、心電図検査、貧血検査など
腹囲(ウエスト回り)が基準値を超えていたり、肥満がある場合は、
血糖値、中性脂肪コレステロール値、血圧、喫煙の有無によって、
生活習慣病のリスクを判定します。
生活習慣病のリスクによって、2段階の保健指導が義務づけられます。
さらに詳しくいうと、
まず、腹囲を計測し、身長と体重からBMIを計算します。→ステップ1
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
ステップ1で、次のような場合、
1.腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上 →ステップ2へ
2.腹囲が男性で85cm未満、女性で90cm未満だがBMIが25以上 →ステップ2へ
ステップ2として、
血糖値、中性脂肪コレステロール値、血圧、喫煙の有無をチェックします。
異常値の数によって生活習慣病のリスクを判定し、
動機づけ支援や積極的支援という保健指導を行い、生活習慣の改善を行います。

[コラム] 特定健診等の義務化にあたっての推進課題
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/070320/5444.html
平成20年4月1日より特定健診等の義務化が実施される。特定健診等の義務化は、
平成18年6月の国会にて成立した「健康保険法等の一部を改正する法律」にもとづいて、
健康診断や保健指導等の実施強化を健康保険組合などの医療保険者に求めるものである。
健診項目については、メタボリック症候群の予防にターゲットをあてたものが実施される。
また、その対象については、40歳以上の被保険者及びその被扶養者までを範囲とする。
これにより、これまでの労働安全衛生法に基づき従業員だけに義務を課していた
健診等の対象範囲が、被扶養者にまで広がることになる。
さらに、取り組みについての評価がシビアに実施されることになる。
取り組み状況に加え、成果についても評価されることになっている。また、平成25年度の
成果の評価により、医療保険者として後期高齢者医療制度への拠出金が最大10%も加算・
減算されることになっている。