細胞の3D形成に成功

細胞の3D形成に成功=高速かつ正確、再生医療にも−東大
東京大生産技術研究所は1日、生きたままの細胞を直方体やリングなどの3次元(3D)に高速形成することに成功したと発表した。
皮膚細胞や膵臓細胞といった異なる細胞同士でも成功。
今後、複雑な働きや形状を持つ臓器を作る再生医療への応用も期待される。
 
同研究所の竹内昌治准教授らのグループは、半導体を製造する際に接着剤などを正確に注入する細い針を装着したロボットを利用。針の先の穴から細胞組織を鋳型に流し込んだ。
 
その結果、マウスの皮膚細胞などを生きた状態で鋳型に埋め込み、リングなどさまざまな形に固めることに成功。
できたリングなどは1ミリ以上の厚さがあるが、従来の技術では、こうした立体を形成するには1週間から1カ月かかった。今回は正確な上、数時間で成功したという。
 
竹内准教授は「こうして作った立体的な細胞組織の寿命は、現在は長くて1週間だが、今後は内部に血管細胞をうまく入れることで長期間の生存も可能になるのでは」と話している。
                  

出典 時事ドットコム 2011.3.1
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