脂質異常症の基準見直

脂質異常症の基準見直し 日本動脈硬化学会、「境界型」設ける
日本動脈硬化学会は27日までに、心筋梗塞などにつながる脂質異常症の新しい診断基準を作ったと発表した。
悪玉コレステロール値が血液1デシリットル中120ミリグラム以上140ミリグラム未満のケースについて、脂質異常症が疑われる「境界型」として新たに設定。
糖尿病などを併発している人は投薬治療が必要になる。

一方、これまでは140ミリグラム以上ならすぐに投薬治療を始めていたが、今後はほかの生活習慣病を患っているかどうかや、喫煙の有無などから患者ごとに医師が総合的に判断すべきだとしている。
糖尿病などがなければ、まず食事や運動などの生活習慣の改善を勧める。

5月下旬にも新しい指針としてまとめ、医療機関などに伝える。

今回の診断基準は、過去の疫学調査から得た糖尿病の有無や血圧、年齢、男女差などのデータを基に、10年後の動脈硬化などによる死亡リスクを割り出して作成した。

新基準作成を担当した寺本民生・帝京大医学部長は「現在薬物治療をしている人の中に、薬が不要になる人も多いのではないか」とみている。

出典  日経新聞 Web刊 2012.4.27
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