職場でのウイルス対策 うがい3回 リスク軽減
1月上旬、東京都港区の、あるシェアオフィスを訪ねると、受付に手の消毒液が置かれていた。
オフィス内の目立たない場所には除菌消臭剤を備えてある。
不特定多数が頻繁に出入りするため衛生に気を配っているという。
体調を崩している利用者には受付でマスクの着用を案内している。
利用する会社員のTさん(42)は「35歳を過ぎた頃から風邪をひきやすくなった。環境を整えてもらえるのはありがたい」と話す。
風邪をひくと反応速度が遅くなるなど仕事のパフォーマンスが下がる。
病欠者が出ると、しわ寄せで部署の負担が増えかねない。
どうすれば風邪を防げるのだろうか。
医薬大手の大塚製薬のオフィスでは、トイレに薬用せっけんと洗口液を、各フロアの出入り口に消毒液とマスクを用意している。
52歳の女性社員は「朝オフィスに着いた時や、外出から戻ったら手洗いとうがいは欠かせない。周りにせきをしている人がいる場合、すぐにマスクを使えるのは安心だ」と話す。
手洗いこそウイルス対策の「基本中の基本」となる。
様々な物に付着したウイルスを洗い流すことで「接触感染」を防げるからだ。1日に11回以上手洗いをする人は、風邪のリスクを半分以下にできることが複数の研究で示されている。
消毒も有効だ。
100円ショップで「小分けボトル」を買うことが出来る。
薬局で買った消毒用アルコールを、このボトルに入れ、家族全員が持つ方法もある。
除菌用のウエットティッシュも常時携帯し、オフィスや出先で簡単に手をきれいにできるようにしておきたい。
のどに付着したウイルスはうがいで洗い出そう。
1日3回水でうがいすれば、風邪にかかる割合を4割程度減らせるという研究結果もある。
トイレや給湯室に紙コップを用意する企業も増えている。
マスクを装着すれば、せきやくしゃみなどに含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛沫感染」を防げる。
ただし医学的効果を示す論文は実はあまりない。
欧米では医療関係者以外がマスクをする習慣がなく、研究が少ないからだ。過信はせずにまめに取り換えるなどうまく使おう。
うがいやマスクにはのどを潤す効果があることも見逃せない。
鼻と口の粘膜は乾燥すると傷ついて、ウイルスがつきやすくなる。
予防のためにも、積極的に取り組みたい。
湿度が40%を下回るとウイルスを取り囲む水分が蒸発して軽くなり、ウイルスが空気中を漂いやすくなる。
有効なのが加湿器だ。
ただし、定期的なメンテナンスが欠かせない。
水槽部やタンクの水あかや汚れを1~2週間に1度洗い、カビや細菌を放出しないようにして使うことを勧めている。
加湿器がないときは「ぬれタオル」をハンガーにかけておくだけでも効果がある。
<コメント>
メンテナンスの手間や結露のことを考えると、「ぬれタオル」のほうが簡単で安上がりで、かつ過度の加湿も防げます。
閉鎖された通勤電車はウイルスに感染するリスクが高い場所だ。
マスクを着けるなど振る舞いに注意したい。
は風邪のひきはじめには生活を「風邪モード」に切り替えたい。
無理して長引かせず早く治してしまうのが理想だ。
優先度の低い仕事は後に回して、身体への負担を減らしたい。
他者への感染は迷惑になる。
鼻をかんだティッシュはゴミ箱の奥に押し込むなど気配りが大切だ。
休めるときは出社を控えたい。
周囲の人は同僚を休ませてあげる心遣いも大切だ。
新たな治療法に期待
国内の乾癬患者が50万~60万人と推定され、近年は増加傾向にある。
主な症状として、皮膚が赤く盛り上がる「紅斑」、細かいかさぶたのような「鱗屑」、皮膚の表面がフケのようにバラバラとはがれ落ちる「落屑」など
がある。
患部では皮膚の表面に角質が積み重なって、分厚くなっている。
皮膚の新陳代謝が異常に活発になり、通常の約10倍のスピードで皮膚が作られているためだ。
メカニズムは完全には分かっていないが、何らかの免疫機能の異常が関係しているとみられている。
乾癖の治療法には、ステロイドなどの塗り薬を用いる外用療法、患部に紫外線を照射する光線療法、内服療法のほか、近年登場した生物学的製剤による注射療法がある。
適切な治療法を選ぶことで、皮疹がほとんどない状態を長く維持している人も増えているという。
症状には個人差があり、生活習慣の見直しとともに本人に合った治療を
続けることが重要とされる。
参考・引用一部改変
日経新聞・夕刊 2020.1.21