SARSと類似点
新型コロナウイルスの特徴が遺伝情報の解析結果などから少しずつ明らかになってきた。
2002~03年に流行したSARSによく似ている。
1月、中国の研究者が新型コロナウイルスを解析し遺伝子配列の情報を公開した。
最初は、SARSの原因ウイルスとよく似ており、派生タイプではないかと考えられた。
ウイルスがくっつくたんぱく質はSARSと同じだと考えられるほか、細胞に侵入したウイルスが出す物質もSARSと共通で、増殖する仕組みも基本的に同じ可能性があるという。
ただ、遺伝子配列で細かな違いも見つかっている。
感染者の症状をみても重症者の多いSARSやMERSに比べ、新型コロナウイルスは軽症や症状が出ない人が多いなど違いがある。
新しい感染症の薬を一から開発するには時間がかかる。
SARSの際に進められた創薬研究は今回、一部で役立っているものの、SARSは約8カ月で終息したため、治療法開発を目指す多くの取り組みが途中で止まってしまった。
途切れず研究開発を進めることが重要だ。
参考・引用一部改変
日経新聞・朝刊 2020.5.5