新型コロナワクチン、期待と未知と ③

新型コロナワクチン、期待と未知と ③

仝国民分、来年6月までに   英3社が供給、接種は無料

ワクチンは日本にいつ届くのか。

日本政府と主な海外企業との契約を見てみる。

 

日本政府は1人当たり2回の接種を想定し、ファイザーとは21年6月までに6000

万人分子(1億2000万回分)、モデルナとは同年6月までに2000万人分(4000万回分)の供給でそれぞれ合意している。

RNAワクチンはセ氏マイナス20~70度での保管が必要で、日本には低温輸送で運ばれる方向だ。

ワクチンは期日までに日本に届く見込みで、実際の接種はそれから始まる予定だ。

 

日本でワクチンを使えるようにするには、ファイザーやモデルナ側が厚生労働省にワクチンの有効性や安全性を示す治験のデータを提出し、製造販売の承認を受ける必要がある。

モデルナのワクチンは武田薬品工業が国内での治験や流通を請け負う。

 

一方、日本政府はウイルスベクターワクチンを開発する英アストラゼネカと21年初めから6000万人分(1億2000万回分)の供給を受けることで合意。

そのうち1500万人分(3000万回分)を3月までに調達する計画だ。

同社製のワクチンは通常の冷蔵庫で保管できるため、供給しやすいという利点がある。

同社はワクチン原液の製造などで関西の中堅製薬JCRファーマなどと提携している。

 

日本にワクチンが届いた場合、日本国民に接種されるまでの流れを見てみる。

日本政府は21年前半までに全国民分の確保をめざしている。

ファイザーのほか、モデルナとアストラゼネカ製も実用化され、日本への供給が順調に進めば全国民分は確保できる見通し。

 

接種を希望する人は全員無料で、重症化リスクの高い高齢者や持病のある人、医療従事者らを優先する考えだ。

自治体が住民に接種券を個別に届け、接種を案内することが想定されている。

 

ワクチンの確保を巡っては、日本や米国などは全人口分以上の調達にメドを付けた半面、新興国のインドやブラジルなどは全人口の30%に満たない分しかなく、国家間で格差が広がる可能性があるとの分析もある。

 

参考・引用一部改変

日経新聞・朝刊 2020.12.10