新型コロナワクチン、期待と未知と ②
副作用など不安の声も
ワクチンの接種に向けて、課題の一つとされているのがワクチン
の保管と物流だ。
ファイザーやモデルナ製はセ氏マイナス20~70度で保管しなければならず、大量の保冷ボックスや保冷庫が必要になる。
厚労首は保冷庫を3000個確保するなど準備を進めている。
厳格に温度管理したワクチンの物流網の整備も課題だ。
運搬されたワクチンについて、低温で保管する設備がない病院やクリニックでの接種は難しいとの指摘もある。
予防効果の持続も課題だ。
ファイザーは最終治験で予防効果が95%に達したと発表したが、効果の持続期間は接種から1~2週間程度しか確認しておらず、長期間持続するかは明らかになっていない。
効果が短いようなら、1年間に何度も接種する必要もある。
ワクチンの接種で、思わぬ健康被害をもたらす副作用も心配される。
ファイザーやモデルナはこれまでの治験で頭痛や発熱、筋肉痛、倦怠感などを起こした人がいたとしている。
安全上問題になるような重大な事例は報告されていないという。
仏調査会社がオンラインで実施した世論調査では、「副作用が心配」などとして米国民の4割が接種しないと回答した。
日本政府は健康被害が生じた場合の救済措置を設けた。
医療費の自己負担分や入院通院に必要な経費を公費で支給することなどが想定される。
今後、接種を受けた人が増えると新たな副作用が起きる恐れもあり、安全性について慎重な対応が必
要だ。
参考・引用一部改変
日経新聞・朝刊 2020.12.10