感染男性、死亡率なぜ高い 免疫システム老化の差、関係か
新型コロナウイルスに感染した場合、男性の方が死亡する確率が高い。
そんな傾向が日本もふくめ、世界各国から報告されている。
男女の「免疫の老化」の差が、関係しているらしい。
厚労省によると、昨年12月28日までに国内で新型コロナに感染して亡くなった男性は1898人、女性は1214人。
死亡率は、男性が1.6%なのに対し、女性は1.2%だった。
英国などのチームは昨年12月、1~6月までに報告された約311万人分の症例を分析した。
死亡する確率は男性の方が1.39倍高かった。
男女の死亡率の違いは、過去の感染症でも報告されている。
SARDS(重症急性呼吸器症候群)では、男性の方が1.66倍死亡率が高かった。
MERS(中東呼吸器症候群)では男性の死亡率が52%だったのに対し、女性は23%だった。
コメント
MERSの死亡率の高さには驚くばかりです。
重症化のメカニズムとして指摘されるのが、男女の「免疫応答」の違いだ。
免疫システムは、まず生まれながらに持っている「自然免疫」が働き、次に攻撃力の強い「獲得免疫」が働く。
免疫細胞からはcというたんぱく質が出る。
自然免疫でこれが過剰に出ると、正常な細胞も攻撃するサイトカインストームが起き、新型コロナ重症化の一因とされる。
米エール大学の岩崎明子教授と高橋岳浩研究員らは昨年8月、感染した男女98人の
感染男性、死亡率なぜ高い 免疫システム老化の差、関係か
新型コロナウイルスに感染した場合、男性の方が死亡する確率が高い。
そんな傾向が日本もふくめ、世界各国から報告されている。
男女の「免疫の老化」の差が、関係しているらしい。
厚労省によると、昨年12月28日までに国内で新型コロナに感染して亡くなった男性は1898人、女性は1214人。
死亡率は、男性が1.6%なのに対し、女性は1.2%だった。
英国などのチームは昨年12月、1~6月までに報告された約311万人分の症例を分析した。
死亡する確率は男性の方が1.39倍高かった。
男女の死亡率の違いは、過去の感染症でも報告されている。
SARDS(重症急性呼吸器症候群)では、男性の方が1.66倍死亡率が高かった。
MERS(中東呼吸器症候群)では男性の死亡率が52%だったのに対し、女性は23%だった。
*コメント
MERSの死亡率の高さには驚くばかりです。
重症化のメカニズムとして指摘されるのが、男女の「免疫応答」の違いだ。
免疫システムは、まず生まれながらに持っている「自然免疫」が働き、次に攻撃力の強い「獲得免疫」が働く。
免疫細胞からはサイトカインというたんぱく質が出る。
自然免疫でこれが過剰に出ると、正常な細胞も攻撃するサイトカインストームが起き、新型コロナ重症化の一因とされる。
米エール大学の岩崎明子教授と高橋岳浩研究員らは昨年8月、感染した男女98人のサイトカイン の量や免疫細胞のはたらきなどを調べ、論文で発表した。
感染した男性は女性よりもサイトカインが多く現れ、獲得免疫は、女性の方が活性化していた。
特に高齢男性では、自然免疫で過剰な反応が起きていた一方で、獲得免疫の反応が弱い傾向がわかった。
高橋さんによると、自然免疫が強くなり獲得免疫が弱くなるのは、男女共通の傾向で、老化によって起きるという。
ただ、男性の方が免疫システムの老化がより強く表れることが、高齢男性の重症化につながるのではないか、と話す。
免疫応答の違いには、遺伝子や性ホルモンが影響すると言われている。
性別の決定にかかわるX染色体には免疫にかかわる遺伝子が多く含まれるが、女性が2本持つのに対し、男性は1本しかない。
新型コロナの重症化には性差があるとみられるが、原因は複雑で特定は難しい。
大事なのは、原因の特定よりも、性差があることを踏まえた治療戦略を検討することだろう。
参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2021.1.10
<関連サイト>
新型コロナ 死亡率に男女差
https://aobazuku.wordpress.com/2021/01/13/新型コロナ%E3%80%80死亡率に男女差/