新型コロナウイルス 治療薬・ワクチンの開発動向まとめ
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WHOの1月19日時点のまとめによると、現在、臨床試験に入っているCOVID-19ワクチン候補は64種類。
このほかに173種類が前臨床の段階にある。
各国で接種開始、日本ではファイザーが申請
米ファイザーと独ビオンテックのmRNAワクチンは、昨年12月に英国、米国、欧州などで承認(緊急使用許可や条件付き承認を含む)され、これまでに40カ国以上で承認を得ている。
米モデルナのワクチンも昨年12月に米国で緊急使用が認められ、今年1月には欧州でも承認を取得。英アストラゼネカのワクチンは、英国やインドなどで承認を取得していて、1月中に承認される可能性がある。
ロシアは昨年8月、国立ガマレヤ研究所が開発したウイルスベクターワクチン「スプートニクV」を承認。
中国は昨年12月末、シノファームの不活化ワクチンを承認した。
インド政府も今年1月、バラート・バイオテクが開発した国産の不活化ワクチンを承認している。
日本では、昨年12月18日にファイザーが特例承認を求めて申請。
政府は2月下旬までに接種を始めたい考えで、承認審査と並行して接種体制の準備を進めている。
ファイザー/ビオンテックとモデルナのワクチンは、いずれも数万人規模で行われた臨床試験で95%前後の予防効果を示した。
英アストラゼネカと同オックスフォード大が共同開発しているウイルスベクターワクチンも、2レジメンの平均で70%の有効性が確認されたとするP3試験の中間解析結果が発表されている。
米ジョンソン・エンド・ジョンソンのウイルスベクターワクチン「JNJ-78436735」や、米ノババックスの組換えタンパクワクチン「NVX-CoV2373」などもP3試験を実施中。
J&Jは月内にも最終試験の結果を公表する見込みで、1回接種の同社ワクチンが有効となれば、接種拡大の追い風になると期待されている。
米メルクは、オーストリア・テミスの買収で獲得した麻疹ウイルスベクターワクチンと、IAVI(国際エイズワクチン推進構想)との提携で開発しているウイルスベクターワクチンの臨床試験を実施中だ。
サノフィとグラクソ・スミスクラインは、組換えタンパクワクチンのP1/2試験を行っているが、高齢者での免疫反応が不十分だったとして、抗原の濃度を再調整した上でP2b試験を21年に始める予定。
豪クイーンズランド大と米CLSは、初期の臨床試験に入っていたワクチンについて、安全性の問題により開発を中止した。
日本勢 アンジェスと塩野義が治験
日本勢では、大阪大とアンジェスが共同開発するDNAワクチンが国内P2/3試験を実施中。
塩野義製薬の組換えタンパクワクチンも昨年12月からP1/2試験を始めており、同社は今春P3試験を始めたい考えだ。
KMバイオロジクスの不活化ワクチンは最短で1月中、第一三共のmRNAワクチンとIDファーマのウイルスベクターワクチンは今春の臨床試験開始を予定している。
国内ではこのほか、アストラゼネカやヤンセンファーマなどが初期の臨床試験を実施中。
武田薬品は、ノババックスとモデルナのワクチンを日本で供給する予定で、モデルナのワクチンについては1月からP1/2試験を行っている。