「ファクターＸ」日本人特有の未知の要因、対コロナ防御力解明につながる可能性
日本人の約６割にある白血球の型「HLA-24」を持つ人は、風邪の原因となる季節性コロナウイルスに対する免疫細胞が、新型コロナウイルスの感染細胞も攻撃するという実験結果を、理化学研究所のチームが発表した。
英科学誌コミュニケーションズ・バイオロジーに論文が掲載された。
コメント；
季節性コロナウイルスは、冬の風邪の原因ウイルスの2~3割を占めるといわれています。
だからといって、「HLA-24」を持つ人は風邪にかかりにくい、しいては日本人は風邪にかかりやすいと考えるのは早計かも知れません。
日本人以外でも他の風邪ウイルスに、「HLA-24」のような他の白血球型があるかも知れな
いからです。
理研の研究チームは、日本人に多いA24を持つ人で、ウイルスに感染した細胞を排除する免疫細胞「キラーＴ細胞」の働きを調べた。
その結果、この型を持つ人のキラーＴ細胞は、季節性コロナと新型コロナで、共通する部分の分子に反応することがわかった。
キラーＴ細胞には、こうした特徴を記憶する働きがある。
過去に季節性コロナに感染した人が、新型コロナに感染すると、体内で眠っていたキラーＴ細胞が速やかに増え、感染細胞を排除している可能性があるという。
日本は海外に比べて新型コロナの感染者や死者が少ないとされ、「ファクターＸ」と呼ばれる日本人特有の未知の要因が存在しているという指摘がある。
研究代表は「A24がファクターＸの候補と考えられ、治療薬の開発などにつながるかもしれない」と話している。
ある専門家は、「季節性コロナに感染するとキラーＴ細胞が新型コロナに対抗し得ることを示した重要な研究だ。日本人の新型コロナウイルスに対する防御力の解明につながる可能性もある」とコメントしている。
コメント；
キラーＴ細胞は細胞性免疫です。
どちらかというと感染防止（抑制）より、発症ないし重症化よく性に関与しているのではないか、と考えられます。
そのあたりもはっきりさせていただきたいと思いました
参考・引用一部改変
読売新聞 2021.12.10
