夜中に何度もトイレに 「夜間頻尿」避けたい習慣は
「ぐっすり眠れない」といった悩みや、夜間の思わぬ転倒などにもつながりかねない「夜中のトイレ」。
夜間に1回以上トイレに起きる夜間頻尿の人は、40代以上で約4500万人いると言われている。
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この数字を言われてもピンと来ませんが、高齢化社会で40代以上が多いとはいえ、かなり多くの人が人知れず悩んでいるものと思われます。
夜間頻尿の主な原因は、夜間の尿の量が増える「夜間多尿」、前立腺肥大症などで膀胱にうまく尿がためられなくなる「蓄尿障害」、夜間によく眠れない「睡眠障害」の3つ。
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「膀胱にうまく尿がためられなくなる『蓄尿障害』」という表現には抵抗があります。
「膀胱から、うまく尿が出せない『排尿障害』」というべきではないでしょうか。
排尿障害の結果起こる「残尿」が膀胱の蓄尿量の相対的な低下を招き、その結果として夜間のトイレの回数が増える、と理解すべきです。
膀胱の平均的な容量は300~400mLほどと言われています。
そこに、尿が150~200mLほど溜まると、尿意をもよおす仕組みになっているのです。
たとえば、常時100mLの残尿がある状態では、膀胱の容量は200mL~300mLと同じことになってしまいます。
これが、前立線肥大症の男性の夜間の頻尿の原因の一部となるのです。
これらの原因が重なり合って夜間頻尿を引き起こしていることが多い。
このうち夜間多尿は、「夜間に出る尿量が多い状態」、具体的には、1日の総尿量の33%以上が就床中に出ている状態を指します。
本来なら昼間に出る分の尿が、夜に出てしまっているわけです。
夜間多尿はシニア世代の夜間頻尿の原因の大部分を占めており、その背景には、
(1)加齢に伴う抗利尿ホルモン(夜間に多く分泌され、尿量を減らす役割を果たしているホルモン)の減少、
(2)心臓のポンプ機能の低下(血液の循環が悪くなり、「むくみ」として下半身に水分がたまり、夜間に尿として出てくる)、
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夜間は、消化管や筋肉などの他の臓器への血液供給が少なくて済み、相対的に腎臓への血液量(腎血流量)が増加します。
その結果として、昼間作りにくかった分の尿が、夜間に作られることになります。
(3)高血圧や糖尿病、
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「高血圧や糖尿病」が、どうして夜間頻尿の原因になるのかという説明がされていません。
(4)水分のとりすぎ
――などがあります。
水分摂取量は「1日1.5リットル」を目安に、とり方も工夫を
日常生活の習慣が、気づかぬうちに夜間頻尿を引き起こしていることもある
とりわけ多いのが、水分のとりすぎだ。
最近は、脳梗塞や心筋梗塞につながる脱水状態を予防するために、水分を1日2リットル程度飲むという人がよくいる。
それくらいの水分をとっていると、尿量が増えて夜間頻尿につながるので、水分を控えたほうがよい。
適切な水分摂取量には個人差があるが、「体重あたり20~25mL」を1日の水分摂取量の目安とする考え方がある。
例えば、体重が70kgの人では1400~1750mL、60kgの人では1200~1500mLの水分摂取量となる。
体格にもよるが、大体が「1日に1.5リットル程度」の水分摂取量が目安になる。
これは食事以外での水分摂取量で、水だけでなくお茶や清涼飲料、アルコールなども含めた量だ(ただし、汗をかく夏場やスポーツをしたときなどは、摂取量を増やしたほうがいい場合もある)。
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アルコールの摂取は、逆に脱水にもつながるので、別に考えたほうがよいと思われます。
さらに、水分のとり方にも注意したい。
夜間に作られる尿の量を減らすには、夕方以降は利尿作用のあるカフェインを含む緑茶や紅茶、コーヒーはなるべく控える。
カフェインを含む飲み物は、朝や昼間に飲むようにして、夕方以降にお茶やコーヒーが飲みたいときは、カフェインを含まない麦茶やルイボスティー、カフェインレスコーヒーなどにするとよい。
その場合も、量は控えめにしたい。
ビールなどのアルコールにも利尿作用があるので、実際に飲んだ量よりも多い尿が作られる。
夜間頻尿がある人は晩酌はなるべく控え、どうしても晩酌がしたい場合は、就寝の4~5時間前までを理想としてなるべく早めに済ませる、量を控えるといった工夫を心がけたい。
盲点になりやすいのが、野菜や果物だ。
野菜や果物は水分を多く含んでおり、夕食時以降に野菜サラダや果物をたくさん食べると、夜間に作られる尿の量が増えて、夜間頻尿につながりやすくなる。
野菜サラダや果物は、できるだけ朝や昼に多く食べるようにしたい。
このほか、塩分の取りすぎ、運動不足も夜間頻尿の原因になる。
塩分をたくさん含む加工食品や汁物、塩蔵品などの取りすぎを控え、下半身の運動を増やして血液の循環を良くすることも、夜間頻尿の改善につながる。
参考・引用一部改変
日経Gooday 2021.11.8