ワクチン4回目、60歳以上中心に

ワクチン4回目、60歳以上中心に 接種間隔「5カ月」案

政府は新型コロナウイルスワクチンの4回目接種を当面60歳以上を中心に進める方向で検討に入った。

接種間隔は現在の6カ月以上から5カ月以上に短縮する案がある。

月内にも方針を固め、5月をめどに接種を始める。

 

厚生労働省が25日に専門部会を開き、米ファイザー製と米モデルナ製の用法・用量などの変更を話し合う。

27日には専門分科会で予防接種法上の扱いも議論する。

接種対象や間隔は、自治体の準備状況などもふまえて最終判断する。

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接種対象や間隔については、感染状況や最新の知見をふまえ、柔軟に判断することが重要なことです。

しかし、国内で昨年12月に3回目接種が始まった際、接種間隔をめぐって政府の方針変更が相次ぎ、自治体の準備が遅れた(大混乱した)反省があります。

決定後の変更は是非とも避けていただきたいものです。

 

接種は予防接種法上の臨時接種に位置付けられ、無料で受けられる。

2回目までは5歳以上、3回目は12歳以上が対象だ。

海外では高齢者らを中心に4回目を進め、予防効果を示すデータがある。

一方、幅広い年齢層に強く推奨する科学的根拠は乏しいのが現状だ。

 

そこで4回目は高齢者や持病のある人に特に勧めることを想定する。

努力義務や勧奨の範囲をどう定めるかが焦点となる。

60歳以上を努力義務の範囲とする案などがある。

接種券配送など自治体の実務面は、基礎疾患の有無で範囲を分けるのが難しいとの声もある。

 

3回目からの接種間隔を巡っては、厚労省所管の医薬品医療機器総合機構(PMDA)が5カ月以上とする方向での議論を政府に求めている。

重症化予防効果は6カ月程度もつとのデータがあり、効果が切れる前に追加接種する。

ただ先行するイスラエルが4カ月以上と定めており、5カ月とする根拠が薄いとの意見もある。

 

イスラエルの研究チームは4月上旬、4回目を打った60歳以上では接種後4週目の重症化率は打っていない人より7割減り、6週目まで効果を保ったとする論文を発表した。感染予防の効果は4週目をピークに落ちた。

各国の対応もばらつく。

高齢者層について英国は75歳以上を対象とする一方、欧州連合EU)当局は80歳以上を推奨する。

米国は50歳以上で認めた。

免疫機能が弱い人や基礎疾患のある人を別途、対象に含める国が多い。

イスラエルでは医療・介護従事者も対象となっている。

コメント

感染力が強いといわれるオミクロン株の特殊性も考慮すべきです。

ファイザー社などがオミクロン株に有効なワクチンを開発中というニュースがありましたが、その後どうなったでしょうか。

株が変異する中、スピード感をもって実用化しないと、上市される頃には流行株が変わっていたという茶番だけは避けたいところです。

 

参考・引用一部改変

日経新聞・朝刊 2022.4.24