鉛はどこに?

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玩具、鍋、レジ袋・・・見えないリスク

日用品の安全、国は基準強化
玩具や鍋から健康被害につながる鉛が検出され、製品回収が相次ぎ、国も対策に
乗り出した。
消費者や検査機関が異常に気づくまで表面化しない場合が多く、見えない鉛の
被害に不安も募る。
日用品のどこに鉛が使われ、どんなリスクがあるのだろうか。

「玩具で鉛が含まれているのは主に塗装。だ液で溶け出す可能性は低いが、
飲み込むと胃液の強い酸性に反応しやすい」。
日本玩具協会のT専務理事はこう注意を呼びかける。
 
子どもに人気の「きかんしゃトーマス」やミニカー、お絵かきセットまで、輸入
玩具から高濃度の鉛が検出され、2007年には複数の企業が回収を余儀なくさ
れた。
塗装中の鉛量はメーカーごとに異なり、見てもまずわからない。

日本玩具協会は玩具メーカーの製品出荷前に、鉛を含む有害物質の測定や安全性を
定める「STマーク制度」を設けている。
塗装1キログラム当たり90ミリグラムが上限の国際基準に準じるが「第三者機関の
認証を義務付けており、欧米よりも運用は厳しい(T さん)。国内で店頭に並ぶ
7~8割の玩具が認証を受け、輸入品も対象となる。
製品選びの一つの目安となりそうだ。

  □  □

「鍋から鉛とは 最初は半信半疑だった」。
北海道立消費生活センター商品テストのK 部長らが中国製の土鍋で水炊きを作り、
数時間加熱する再現試験をすると銀色の異物が流れ出た。
2007年春、購入した鍋の異常を訴えた札幌市の男性の依頼で実施。
鍋のうわぐすりに鉛が含まれていた可能性が高いと判断した。
 
「日用品は同一製品でも品質のばらつきがあるため、検証にも時間がかかり、
被害が広がりやすい」。
K さんは懸念する。
この土鍋はメーカーが回収を決めたが、日用品の経年変化にはリスクが残る。

鉛は主に蓄電池に使われるが、日用品や食品にも微量が含まれ、体に多く取り込ま
れると神経や内臓障害を起こす。
国がまとめた「生活安心プロジェクト」の緊急課題にも挙げられた。
 
玩具や鍋は食品衛生法で規制されるが、厚生労働省は今年、基準強化に踏み切る。
玩具は知育玩具や乗り物玩具、ぬいぐるみなどを広く対象にした。
鍋は1986年に定めた現行基準を改め、材質ごとに溶出基準を設ける方針を固めた。
加熱使用する中・大型の陶磁器の場合、上限値は従来の5分の1になる。
100%ではないが、「穴」は少しずつふさがりつつある。
    
  □  □
 
透明なレジ袋の鉛量はゼロだが、カラーの袋からは多く検出され、最高で欧州
基準の160倍に達した・・・。
京都大学環境保全センターのS教授が京都市内で集めた数千枚を調査し、思わぬ
結果が出た。
色を付ける工程で鉛を含む顔料が使われている可能性が高いという。
 
簡易包装が増え、野菜などが直接触れることもある。
すぐ破ける、色落ちする粗悪品も珍しくない。
Sさんは「レジ袋は量の削減だけが注目され、質は見過ごされてきた」と話す。
 
ここ数年で食の安全への意識は急速に高まり、消費者は生産・流通履歴や成分表示の
情報を入手しやすくなった。
一方で、日用品は製造工程や使用物質が見えないことが多く、理解も難しい。
感情的に輸入品を排除しても限界がある。
少しでも正しい知識を集め、製品や使い方、異常を見極めることが必要だろう。

出典 日経新聞・夕刊 2008.5.16
版権 日経新聞


<参考ブログ>

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%89%9B

鉛害撲滅へ、鉛の怖さと鉛ゼロ化を実現した理由
http://news.livedoor.com/article/detail/3472162/
■鉛による害とは
鉛は自然界に元々存在する物質であり、それだけでは環境に害があるとはいえません。
しかし、人体に対しては有害物質であることも知られています。

鉛は食材にも存在しますが、通常の状態であれば尿と一緒に排泄されるために必要以上
の鉛が体内に蓄積することはありません。
四エチル鉛のような有機化合物を摂取してしまったり、何らかの体質・代謝の異常により
鉛が排泄できず大量の鉛を蓄積すると毒性を持つようになります。

呼吸器系統や消化器系統から人体に吸収されると腹痛や貧血などの「鉛中毒」の症状が
現れます。
鉛は最終的には骨と結びついて長く人体に蓄積されます。
幼児の「慢性鉛中毒」は、大脳の成熟障害や精神薄弱や骨発育障害などを引き起こします。
アメリカにおける調査報告(David research center)では7歳児の血中鉛濃度が高い児童
はIQ値が低いという結果も報告されています。

<自遊時間>
いよいよ6月から乗用車に乗る人全員へのシートベルト着用が義務付けられます。
運転席への着用が義務付けられたときには、法で強制することに私自身抵抗がありましたが、
法制化された今となっては、全員着用は当然といえば当然です。

私は講演に行ったりする際に、タクシーで自動車専用道をよく利用します。
後部座席に座った際にしシートベルトをしようとしてもバックルがついていないタクシー
(わざとはずしてある)があります。
この前はバックルはあるのですがホルダーの受けがわざと機能しないように細工がしている
タクシーが連続2台ありました。
要するに客にシートベルトが出来ないようにわざとしてあるのです。
以前から運転手のみシートベルトをしているのに疑問を抱いていました。
運転手さんは、衝突した際には助手席の後部座席が一番危ないといいます。
何でも衝突の際にフロントガラスから飛び出していくそうです。

6月1日にはちゃんと着用できるように改善してもらえるのでしょうか。
皆さんの街ではどうでしょうか。
タクシーに乗られたら是非確認してみて下さい。

6月になってからタクシーに乗るのが楽しみ(?)です。


後部座席シートベルト義務化 タクシーも対応追われる
後部座席のシートベルト着用は、自分の命を守るだけではない。自動車事故対策機構
の実験によると、後部座席でシートベルトを着用していない場合、前の席を事故被害に
巻き込む危険性が、着用時の50倍以上にもなるという。

改正道路交通法で、後部座席のシートベルト着用は「義務」になる。ただ、行政処分
対象になるのは高速道路だけ。「さしあたり高速道路ということ。今後、罰則が一般道
にも拡大する可能性はある」(警視庁幹部)。妊娠中やけが、極度の肥満などでシート
ベルトができない場合は免除となる。
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/080503/sty0805032013005-n2.htm
2008.5.3 20:13


医療専門のブログは別にあります。
井蛙内科開業医/診療録 
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科専門医向けのブログです)
葦の髄から循環器の世界をのぞく
http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログです)