仮面高血圧

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中川一政 画 【 紅 椿 】 岩彩
http://page6.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f61334949

白衣高血圧(別名診療所高血圧)という言葉とその意味はほとんどの方
がご存知だと思います。
この場合には治療は必要ありません。
しかし最近になって実はその逆の場合もあることが分って来ました。
つまり、診察室で医師に測定した血圧値は正常血圧であるのに、家庭や職場で自分で測定
した血圧値が高血圧となる場合があり、仮面(をかぶった)高血圧(逆白衣高血圧)
といいます。
この言葉もそろそろ市民権を得て来ていますので、ご存知の方も多いのではないで
しょうか。
白衣高血圧と違って、高血圧に晒されている時間が長いので当然動脈硬化や心血管の病気
になりやすくなります。
仮面高血圧は正常血圧に比べて約3倍脳卒中心筋梗塞になりやすいとの報告もあります。
けれども日中も就寝中も血圧の高い「持続性高血圧」よりはいいということが研究から
わかっています。
仮面高血圧にはいろいろなタイプがあります。
その中で朝の早い時間帯に血圧が高いのを「早朝高血圧」と言います。
これにはさらに二つのタイプがあります。
夜間から朝まで寝ている間ずっと血圧が高い‘夜間持続型’と、起床してから急に高くなる
‘早朝上昇型’です。
特に、夜の間ずっと血圧が高い‘夜間持続型’というタイプは動脈硬化や心肥大が進行し
やすいといわれています。
また‘早朝上昇型’も注意しなければなりません。
脳卒中心筋梗塞がこの時間に多発することから血圧の治療が必要だからです。


仮面高血圧は、ヘビースモーカーやストレスの多い方にも見受けられます。
病院では喫煙できませんから血圧を測る際は平生より低めにでます。
また、会社でストレスが多い方も病院ではリラックスしますから低くなります
(職場高血圧)。
家庭高血圧という言葉もあります。
そういう方は・・・。
そのため、実際は血圧が高いのに医療機関では低く測定されます。
この他に、降圧剤の治療を受けている方も、通常は朝一回の服用ですから、午前中の
外来では薬が効いています。
そのためコントロールが出来ていると診断されてしまいますが、実際は日中や夜間に
血圧が高くなっている可能性があります。

昔は医療機関で測定する血圧がすべてでした。
現在は家庭血圧計が普及していろいろなことがわかってきています。
たとえばきょうお話ししたような日中は正常なのに、夜間や早朝に血圧が高くなる
「仮面高血圧」が見つかってきました。
「病院で測った血圧は正常値だった」と安心していては
いけません。
“隠れ高血圧”を見つけるために早朝や家庭、職場で血圧を測定する習慣を
つけて下さい。
血圧は自己管理の時代です。

仮面高血圧とは?
http://www.akanekai.jp/kouketu3.htm
仮面高血圧
http://www.kyotofuyaku.or.jp/kamenkouketuatu.htm

<自遊時間>
私事で恐縮です。
私は以前から中川一政画伯の絵が好きです。
セザンヌも好きですがひょっとしたら一番好きな画家かも知れません。
昨日、皆さんもご存知の富山の名物「ます寿司」をお土産にいただきました。
毎回こんな美味しい食べ物はそうそうないと思いながら食べてきました。
以前から何気なく開けていたパッケージですが、それが中川一政画伯の描かれた
「ます」と初めて知りました。
「ぶり」の絵は別の画家によるものですが、それはそれで勢いのある素晴らしい
絵と感じ入りました。
名物にはそれぞれ蘊蓄があるものですね。

真鶴町中川一政美術館
http://www.town-manazuru.jp/museum/

ますのすし本舗 源
http://www.minamoto.co.jp/
(商品紹介をクリックして下さい。パッケージの絵に注目下さい。)

100周年記念事業 源のますのすし宇宙食への挑戦
http://masu-uchu.com/
(「ますのすしCM」をクリックすると動画が見れます。)

医療専門のブログは別にあります。
井蛙内科開業医/診療録http://wellfrog.exblog.jp/
葦の髄から循環器の世界をのぞくhttp://blog.m3.com/reed/200708