マンモグラフィ(乳房エックス線撮影)

日本人に増えている乳がん
女性の約20人の1人がかかるといわれている。
女性がなるがんの1位。
しかし、検診受診率はまだ13%しかない。

自治体が行う集団検診は、以前は医師が乳房の様子を観察し、乳房やわきを
触る視触診のみだった。

だが、効果がみられないことが分かり、厚生労働省は2000年、乳房を
エックス線で検査するマンモグラフィ検診を併用するよう指針に盛り込んだ。
40歳以上の女性に、2年に1回、受診することを勧めている。
その理由は4、50代がピークで全体の患者数の5割を超えるからである。
一方40歳未満は8%と少ないが、2、30代でなる人もいる。

マンモグラフィは乳房を板に挟んでエックス線撮影する装置。小さながんや、
乳房の奥のしこりも映し出す。
画像の解像度は非常に高く、100ミクロン(0.1ミリ)単位の異常を写す
ことができるのが特徴。
乳がん死亡率を下げることが世界的にも証明されている。
乳管内にとどまり、しこりになる前のごく早期のがん(非浸潤がん)を
見つけることも可能だ。
乳管の中だけにとどまる非浸潤がんの場合や浸潤がんでも1センチ以下で
見つかれば95%が克服できる。

欧米では、マンモグラフィ検診で、50歳以上なら乳がん死亡率が22%減り、
40歳代でも15%減る、との報告があり、普及している。

ただ、この検査には限界もある。
がんを画像でとらえにくい場合があるのだ。

マンモグラフィでは、乳汁を分泌する乳腺やがんは白く、脂肪は黒く映る。
閉経前で乳腺が濃密な女性では、乳房全体が白く映ることもあり、がんが
あっても雪上に置いたゴルフボールのように、見つけるのが難しい。
このようにマンモグラフィは、石灰化した細かい点々や鳥の羽のような淡い
陰影に見えるごく初期のがんを見つける。
乳腺と周囲の結合繊維もがんと同様に白く映るため、白地に白を探す作業
となり分かりやすい。
「ギュー」は乳房の厚みを薄く伸ばして被ばく量も減らす意味でも必要。
生理前は痛いので避けるという裏技もある。

一方、超音波検査は、非浸潤がんの発見は難しいが、乳腺が濃密な場合
でも、しこりを発見できる。

ある報告では、乳がんが見つかった40歳代女性の診断時の画像を見直
したところ、がんが映っていた割合は、マンモグラフィで77%だったが、
超音波検査では87%に上った。

ただし、超音波の方が優れている、とも言えない。
超音波検診には、マンモグラフィと違い、死亡率を減らす有効性を示す
研究はないからだ。

超音波検査装置は多くの医療機関に設置されているが、検査する医師の
技量に検査結果が左右されやすい問題もある。
超音波検診は欧米では普及しておらず、国内の自治体検診でも導入した
地域は極めて少ない。

マンモグラフィ、超音波それぞれに得意分野がある。
マンモグラフィで乳房全体が白く映るような人は、超音波の方が適して
いる。

乳がん検診> 
自治体が行う集団検診では、2005年度に約226万人が受診し、
うち17万5千人ががんの疑いがあるとして要精密検査となり、
5356人にがんが見つかった。
受診率は17.6%で、60~80%程度の欧米の受診率に比べて低い。





がんナビ:受診者からの悪評高いマンモグラフィの上手な受け方
http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/report/post_638.html

ピンクリボンキャンペーン2008 - Yahoo! JAPAN
http://pinkribbon.yahoo.co.jp/about/03.html
マンモグラフィと並ぶ代表的な画像診断が超音波(エコー)検査です。
■人間の耳には聞こえない高い音(超音波)を体内に送信し、臓器に当たって
反射してくる音を画像として表示します。
■乳房の検査は超音波を出す器具を直接乳房にのせて動かし、写し出された
画像を見ながら行います。
■超音波検査では手にふれない数ミリのしこりを見つけだすことができます。
放射線被曝がないため、妊娠中の人、若い人、頻繁に検査をする必要の
ある人などに超音波検査が適しています。
■また乳房を圧迫する必要がないためマンモグラフィの圧迫に耐えられない人
に対して行うこともあります。


ピンクリボン、乳房健康研究会は乳がんの早期発見を呼びかけています
http://allabout.co.jp/health/womenshealth/closeup/CU20040726A/