現在は健康食品ブームです。
おそらく世界的にみても日本ほど健康食品のあふれた国はないものと思われます。
コラーゲンやヒアルロン酸を例にとっても、広告では腸からの吸収を改善していると謳っています。
しかし、これは本来は吸収しにくいものと言っているようなものです。
実は問題はここから先にあるのです。
たとえアミノ酸やペプチドに分解されて吸収されても、その後にコラーゲンやヒアルロン酸に再構築されたり皮膚に到達するという実証がないのです。
おそらく世界的にみても日本ほど健康食品のあふれた国はないものと思われます。
コラーゲンやヒアルロン酸を例にとっても、広告では腸からの吸収を改善していると謳っています。
しかし、これは本来は吸収しにくいものと言っているようなものです。
実は問題はここから先にあるのです。
たとえアミノ酸やペプチドに分解されて吸収されても、その後にコラーゲンやヒアルロン酸に再構築されたり皮膚に到達するという実証がないのです。
＃＃飲むコラーゲン、肌に到達せず？、美肌効果の立証難しく
美肌効果を期待して、瓶やペットボトルに入った「飲むコラーゲン」が若い女性を中心に人気です。
2009年に関連商品の市場規模はおよそ250億円で前年比20％増と急成長しています。
今後も成長が続くとみられています。
でも、コラーゲン飲料を飲むだけで、本当にはりと潤いのある肌を手に入れることができるのでしょうか。
コラーゲン飲料にきちんとした定義はありません。
メーカーによって中身はまちまちです。
コラーゲンそのものやコラーゲン由来のペプチド（アミノ酸の集まり）が入っているもの、肌でコラーゲンが作られるのを期待して関連成分を配合した商品もあるのです。
コラーゲンは肌の水分保持や弾力を保つ働きが知られているたんぱく質で、皮膚の真皮成分の約７割を占め、線維芽細胞が血液中のアミノ酸などをもとに作ります。
骨などにも多く存在し、合計するとその量は体全体のたんぱく質の約３割にのぼるのです。
美肌効果を期待して、瓶やペットボトルに入った「飲むコラーゲン」が若い女性を中心に人気です。
2009年に関連商品の市場規模はおよそ250億円で前年比20％増と急成長しています。
今後も成長が続くとみられています。
でも、コラーゲン飲料を飲むだけで、本当にはりと潤いのある肌を手に入れることができるのでしょうか。
コラーゲン飲料にきちんとした定義はありません。
メーカーによって中身はまちまちです。
コラーゲンそのものやコラーゲン由来のペプチド（アミノ酸の集まり）が入っているもの、肌でコラーゲンが作られるのを期待して関連成分を配合した商品もあるのです。
コラーゲンは肌の水分保持や弾力を保つ働きが知られているたんぱく質で、皮膚の真皮成分の約７割を占め、線維芽細胞が血液中のアミノ酸などをもとに作ります。
骨などにも多く存在し、合計するとその量は体全体のたんぱく質の約３割にのぼるのです。
＃消化管で分解
「食べたり飲んだりしたコラーゲンが、そのまま肌のコラーゲンになると考えない方がいい」。
こう話すのは防衛医科大学校の多島新吾教授（皮膚科）です。
消化管でばらばらに分解されてアミノ酸やペプチドとなってから腸で吸収されるからです。
分解されたコラーゲン由来のアミノ酸やペプチドが肌のコラーゲンの材料になる可能性は残りますが、岡山大学の二宮善文教授（分子医科学）は「これらが直接肌に到達しコラーゲンになった証拠は見つかっていない」と解説しています。
ただ、肌によさそうだという研究結果はいくつかあります。
明治製菓食料健康総合研究所などは、肌の細胞を使った実験で、線維芽細胞にコラーゲン由来のペプチドを加えると、肌で水分を保持するヒアルロン酸の合成量が最大約２倍になることを突き止めました。
また、健康な女性に魚のうろこからとったコラーゲン５グラムを飲んでもらい１～２時間後に血液検査をすると、それまで血液中になかったコラーゲン由来ペプチドが確認できたということです。
「これが肌の線維芽細胞の栄養源として使われる可能性もある」と明治製菓の大原浩樹主任研究員は説明します。
「食べたり飲んだりしたコラーゲンが、そのまま肌のコラーゲンになると考えない方がいい」。
こう話すのは防衛医科大学校の多島新吾教授（皮膚科）です。
消化管でばらばらに分解されてアミノ酸やペプチドとなってから腸で吸収されるからです。
分解されたコラーゲン由来のアミノ酸やペプチドが肌のコラーゲンの材料になる可能性は残りますが、岡山大学の二宮善文教授（分子医科学）は「これらが直接肌に到達しコラーゲンになった証拠は見つかっていない」と解説しています。
ただ、肌によさそうだという研究結果はいくつかあります。
明治製菓食料健康総合研究所などは、肌の細胞を使った実験で、線維芽細胞にコラーゲン由来のペプチドを加えると、肌で水分を保持するヒアルロン酸の合成量が最大約２倍になることを突き止めました。
また、健康な女性に魚のうろこからとったコラーゲン５グラムを飲んでもらい１～２時間後に血液検査をすると、それまで血液中になかったコラーゲン由来ペプチドが確認できたということです。
「これが肌の線維芽細胞の栄養源として使われる可能性もある」と明治製菓の大原浩樹主任研究員は説明します。
＃半年ほど蓄積
資生堂も細胞実験で、ポリフェノールを含む植物エキスが線維芽細胞の働きを活発にしたりコラーゲンの老化を防いだりする効果があることを突き止め、同社のコラーゲン飲料に配合しています。
40歳代の女性16人に1日1本4週間飲んでもらったところ、「人で実際にどのように効いているかなど詳しいメカニズムはよくわかっていない」（資生堂ヘルスケア事業部の沖田恭司氏）が、肌の張りがよくなったり肌の水分量が増えていたといいます。
こうした研究は細胞実験や被験者が少なく、科学的効果を立証するには不十分です。
メーカー側も「マーケティングのために“研究”をやっている」と打ち明けます。
肌のコラーゲンを上手に増やす方法はあるのでしょうか。
コラーゲンはできてから分解されるまで4～6カ月間と比較的長く肌にとどまるため、加齢現象や紫外線の影響を受けやすいのです。
紫外線や活性酸素を浴びるとコラーゲン中のアミノ酸に糖がくっつき分解されにくくなり古くなったコラーゲンがたまってきます。
また、ビタミンＣが足りなくなると肌のコラーゲンも作られにくくなるようです。
多島教授は「肌を紫外線にさらさない。ストレスのない生活を心がけて活性酸素を作りにくくする。こうした生活改善が肌のコラーゲンには一番効果的」と話します。
どうやら一朝一夕で美肌を手に入れるのは難しそうだというのが結論です。
資生堂も細胞実験で、ポリフェノールを含む植物エキスが線維芽細胞の働きを活発にしたりコラーゲンの老化を防いだりする効果があることを突き止め、同社のコラーゲン飲料に配合しています。
40歳代の女性16人に1日1本4週間飲んでもらったところ、「人で実際にどのように効いているかなど詳しいメカニズムはよくわかっていない」（資生堂ヘルスケア事業部の沖田恭司氏）が、肌の張りがよくなったり肌の水分量が増えていたといいます。
こうした研究は細胞実験や被験者が少なく、科学的効果を立証するには不十分です。
メーカー側も「マーケティングのために“研究”をやっている」と打ち明けます。
肌のコラーゲンを上手に増やす方法はあるのでしょうか。
コラーゲンはできてから分解されるまで4～6カ月間と比較的長く肌にとどまるため、加齢現象や紫外線の影響を受けやすいのです。
紫外線や活性酸素を浴びるとコラーゲン中のアミノ酸に糖がくっつき分解されにくくなり古くなったコラーゲンがたまってきます。
また、ビタミンＣが足りなくなると肌のコラーゲンも作られにくくなるようです。
多島教授は「肌を紫外線にさらさない。ストレスのない生活を心がけて活性酸素を作りにくくする。こうした生活改善が肌のコラーゲンには一番効果的」と話します。
どうやら一朝一夕で美肌を手に入れるのは難しそうだというのが結論です。
≪本≫
◆コラーゲンに関する基本情報をわかりやすく解説
「コラーゲンの話」（大崎茂芳著、中央公論新社）
≪ホームページ≫
◆国立健康・栄養研究所がコラーゲンの効果について解説
「食品成分有効性評価及び健康影響評価プロジェクト解説集」（http://www.nih.go.jp/eiken/chosa/ishimi.htm ）
◆コラーゲンに関する基本情報をわかりやすく解説
「コラーゲンの話」（大崎茂芳著、中央公論新社）
≪ホームページ≫
◆国立健康・栄養研究所がコラーゲンの効果について解説
「食品成分有効性評価及び健康影響評価プロジェクト解説集」（http://www.nih.go.jp/eiken/chosa/ishimi.htm ）
読んでいただいて有難うございます。
コメントをお待ちしています。
井蛙内科開業医/診療録(4)
http://wellfrog4.exblog.jp/
（H21.10.16～）
井蛙内科開業医/診療録(3)
http://wellfrog3.exblog.jp/
（H20.12.11～）
井蛙内科開業医/診療録(2)
http://wellfrog2.exblog.jp/
（H20.5.22～）
井蛙内科開業医/診療録
http://wellfrog.exblog.jp/
（H19.8.3～）
（いずれも内科専門医向けのブログです）
葦の髄から循環器の世界をのぞく
http://blog.m3.com/reed/
（循環器専門医向けのブログです）
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