目やにの種類と原因

目やに(めやに:目脂)は、目からでる分泌物で、俗称は目糞(めくそ、目糞)、目垢(めあか)、医学用語としては眼脂(がんし)と呼ばれてます。
結膜や角膜上皮から分泌されているムチンを主成分とする粘液に、涙、血管から漏れた血液細胞や、まぶたからの老廃物、ほこりなどが混じったものでできています。
通常はまばたきによって涙とともに目頭の涙嚢に洗い流されていますが、睡眠中はこの作用がないため、起床時には健常者でも目頭や目尻に少量の乾いた目やにが付着していることがあります。
しかし、大量も目やにが出たり、色がおかしい、膿が混じるなどの異常が見られたりした場合いは、結膜炎、涙嚢炎、鼻涙管狭窄、さかまつげなどによる角膜炎、ドライアイなど、様々な眼疾患の可能性があります。
このように、目やには目の健康のバロメーターといえます。



目やにの種類と原因
目やには、原因によって色や様子が違います。

1)目の代謝活動でつくられる目やに
目も身体のほかの部分と同じように代謝をして、古くなった細胞を入れ替えています。
朝起きたとき、目頭や目尻にみられる少量の目やには、正常な代謝活動でできた老廃物です。

2)目の炎症反応でつくられる目やに
○細菌による感染が原因の場合・・・黄緑色でドロっとした膿状の目やにが出ます
○花粉症などのアレルギーが原因の場合・・・涙のようにサラサラした水状の目やにが出ます
○ウイルスによる感染が原因の場合・・・白くネバネバと糸を引いたような目やにが出ます

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目やにができるしくみ
1)目の新陳代謝でつくられる目やに
目やには、医学用語では「眼脂(がんし)」といい、皮膚の垢のような、生理的な分泌物です。
目のゴミをくるんで外に出す働きがあり、涙や、代謝により角膜・結膜から脱落した古い細胞などが含まれています。
2)目の炎症反応でつくられる目やに
細菌やウイルスなどの異物が目に侵入したときに、免疫反応の1つとして目やにが出ます。
これは、体内の白血球によって、取り込まれたり分解されたりした異物が、体外に排出されたものです。
この場合の目やにの中には、細菌やウイルス、細菌と闘った白血球などが含まれています。


目やにが出たときのケア
○いつもと少し違う目やにには、細菌やウイルスがいる場合があります。
目やにの取り方は、清潔な手指等でこすり落としたり、洗顔.洗眼によって洗い落すのが一般的です。
完璧を期す場合には、清潔なティッシュペーパー、ガーゼ、綿棒などで拭き取り、処分してください。
幼児や要介護者のように目やにを自力で取り除けない人の場合は、第3者が手伝います。
目やにを放置すると目やにが固着して目が開けられなくなることさえあります。
このように目やにがこびりついている場合は、ガーゼを水やお湯で湿らせて目やにを取ります。
また、拭き取った後は、手を石けんで洗いましょう。
○抗菌作用のある薬剤の入った目薬を点眼しましょう。

※正しい点眼方法と目やにの関係
目やにの中には細菌がいる場合があります。
そのため、目薬をさすときに目薬の先がまぶたにくっついてしまうと、目薬の中に目やにや菌が入り、薬の中で繁殖してしまうことがあります。
そこで、目薬を清潔に保つために、正しい点眼方法を心がけましょう。

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<参考および引用サイト>
Santenひとみすこやか.com「目やにが出る」
http://hitomi-sukoyaka.com/trouble/meyani/care.html





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(読みにくい場合にはデスクトップにドラッグして下さい)

出典 朝日新聞・朝刊 2006.9.3
版権 朝日新聞社


<コメント>
尾籠(びろう)な話ですが、鼻くその一部は涙点の穴からに吸いこまれて涙点を通して鼻にまわったものです。
「目くそ鼻くそ」の語源とすればよく出来た話です。
「目やに」に比べて「目糞(めくそ)」は上品な言い回しではありませんよね。
話はとびますが、普段診察をしていて困ることがあります。

「のど○ん○」という言葉です。
若い女性には使いにくい(「おばさんならいいんかい!」と突っ込みが入りそうです)言い回しで困っています。
何かほかのいい言い回しがあれば是非教えて下さい。


読んでいただいて有難うございます。
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