手の湿疹

手の湿疹 洗い過ぎに用心

毎日家事に従事する主婦、美容師、飲食業に携わる人たちは、繰り返し洗剤、せっけんを使うことで皮膚の脂分が奪われ、手表面のバリアーが崩れやすくなっています。
さらに外部の刺激が長期にわたって続くと、皮膚がはがれ、あかぎれを生じ、かゆみ・ジュクジュクなどの湿疹状態へと進みます。
手のひらは、いろいろなものに触れることが多く、皮脂が出てくる毛穴がないので、湿疹症状は利き手の指先から手のひら、さらに手全体へと広がります。
これからお湯を使う機会の多い冬は、暖房による乾燥も重なり、湿疹が悪化しやすくなります。

湿疹対策として、まず手への負荷を減らし、手を休めるよう心掛けてください。
水の使用回数を減らすため、紙皿や紙コップを使う、皿を汚さないようラップを敷く、カット野菜を買う、食洗器で洗う、などの方法があります。
手で洗うときは通気性の良い木綿手袋に炊事用手袋を重ねて使うと効果的です。
また、水仕事の際に水温を下げたり、つけ置きをしておくことで皮脂の流失を最小限に防止できます。
洗髪・洗顔時に、薄い使い捨て手袋を使うのもいいでしょう。
手荒れがひどいときは、せっけんで洗い過ぎないよう気を付けてください。
特に潔癖症の人は要注意です。

治療では、カサカサ程度なら、崩れたバリアーを保護して潤い成分が逃げるのを防ぐため、まめに保湿剤を塗ります。
保湿剤には、ワセリン剤、ヘパリン類似物質、ビタミンA・E製剤、尿素剤などがあります。それぞれ特徴があるので自分に合うものを用います。
形状にも軟こう、クリームやローションなどありますが、夜間は比較的効果が続く軟こうがお薦めです。

症状がひどいときは、ある程度患部を冷やし、それでも改善しないときは患部にのみステロイド剤を用い、さらに手全体に保湿剤を塗り重ねます。
ステロイド剤は原則1日1~2回とし、症状が落ち着けば回数を減らします。漠然とステロイド剤を使用すると皮膚が薄くなり、逆に割れやすくなるので、注意してください。
東近江市、村田雄峰=滋賀県医師会)
出典 中日新聞・朝刊(滋賀) 2010.11.3
版権 中日新聞社

<私的コメント>
先日、冬になると皮膚がカサカサして痒くなるという70歳代の女性が来院されました。
入浴の際にあまり石けんでゴシゴシこすらないこと、そして石けんやシャンプーは最小限に使うように指導しました。
次回された際に「痒いのがすっかりとれました」と感謝されました。
皮膚の脂分は入浴を長めに心がけるだけでも十分にとることが出来ます。
これは男性の有名タレントのTが実行している方法でもあります。
彼の肌は年齢の割にツヤツヤしていることで有名です。
無精者の私も、これに倣(なら)って石けんはほとんど使いません。
効果のほどは・・・?



グロテスクです…インフルフィギュア 阪大微研に展示

大阪大微生物病研究所(微研、大阪府吹田市)が17日、ミュージアムを開館する。
保存資料の公開のため、微研1階の約36平方メートルのスペースに設けた。
目玉はインフルエンザやSARS新型肺炎)のウイルスの巨大フィギュア。

ウイルスのフィギュアは20~30センチの楕円形で実物の100万倍程度。
インフルエンザには8本のリボ核酸RNA)が入り、2種類の突起も忠実に再現してある。

イメージ 1


動物やアニメキャラクターなどの精巧なフィギュアで世界的に知られる海洋堂が作製したインフルエンザウイルスのフィギュア。
外側のオレンジ色の突起がヘマグルチニン、青色の突起がノイラミニダーゼで、薬の耐性や感染の強さにかかわる=大阪大微生物病研究所




他に
井蛙内科開業医/診療録(4)
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があります。