爪で分かる体のSOS

爪は健康状態を知るためのバロメーターといわれ、体の異変を知らせてくれることがあります。
形や色が変わったら、自分の体に目を向けるきっかけにしましょう。
爪を観察することで病気が見つかることがあるのです。

爪で分かる体のSOS 茶色の場合は腎臓に異常も

過去の異常知る
■爪の主成分はカルシウムではなく、髪や皮膚と同じたんぱく質だ。
複数の指の爪に同時に色や形の異変が見られる場合は、体内で何らかの異常が起きている可能性が考えられる。

■手の爪は1日に0.1ミリメートル程度伸びる。
足はそれより遅い。
すべて生え替わるには通常、半年以上かかる。
このため爪の状態で過去の異常が分かることも多い。

■代表例が複数の爪に一条の横線ができる「ボー線条」だ。
横線の形は大きくへこんでいたり少し段になっていたりする。
原因としては、精神的・肉体的なストレスにより一時的に爪の発育が止まったケースや、感染症などによる高熱の影響で爪が一時的に作られなくなったケースなどがある。

■このほか症例は多くないが、指先が丸くなって太鼓のばちのような状態になっていると、呼吸器などの異常が考えられる。
爪が反っていたり白っぽかったりすると肝臓や骨髄に、爪の先が茶色くなっていると腎臓などに異常があるかもしれない。

■体調の変化だけではない。
爪が内側に異常に湾曲していく「巻き爪」は足の爪に多くみられる症状だ。
先天的な場合もあるが、足を締め付けるような靴をはいたり歩き方が悪かったりするとなりやすい。


早めに医療機関
■そのままにしておくと、爪の両端が皮膚に刺さって化膿してしまうケースもあるので、早めに医療機関を受診した方がよい。
「巻き爪」はワイヤで固定する矯正や、トレーニングを通じて歩き方を修正することで対処できる。
先のとがったヒール靴だけでなく幅の広い靴も足が前にずれて当たり、巻き爪になりやすい。
長時間履くのはよくない。

■爪が黒く見える「爪下出血」は、ドアに爪を挟んだり何かにぶつけたりして、爪の中に血がたまっている状態だ。
放っておいても自然に治るが、爪の中の血の塊が大きいと強い痛みが出ることもある。
この場合は「爪に穴を開け、血を抜くことで圧力を下げる治療を受けた方がよい。

■爪を長く伸ばしたり、つけ爪をしたりする際も注意が必要だ。
その状態でパソコンのキーボードをたたく、水仕事をするといった生活を続けていると、爪の先がはがれ皮膚との間にすき間ができる「爪甲剥離」になりやすい。
つけ爪やマニキュアを外してはじめて気づくという人もいる。
慢性化すると元に戻らなくなる。

■細菌が異変をもたらす例もある。
爪と皮膚の隙間に緑膿菌が増殖すると、爪が緑色に変わってしまう。
白癬菌の場合は、爪がひび割れてボロボロになる。

健康状態を知るヒントとなる爪を日ごろからチェックする習慣を付けることが大切だ。


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出典 朝日新聞・朝刊 2013.10.1(一部改変)
版権 朝日新聞社


参考サイト
よく観察しよう!爪は第2の皮膚
http://eonet.jp/health/healthcare/health08.html



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                                2014.3.23撮影