「隠れ扁平足」

増える「隠れ扁平足」 筋トレや中敷きの見直しで改善

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO47758390X21C12A0MZ4001/?df=2
「隠れ扁平足」。
ここ数年、男女を問わず増えているという。
土踏まずがあるように見えるが、立ったり歩いたりするとアーチ状の構造が崩れる。
運動不足による筋力の低下や老化などが原因で、足にかかる衝撃を吸収できなくなって様々なトラブルを引き起こす。
足に合った靴や中敷きを選んだり、筋力トレーニングをしたりすることで食い止められる。

足を横からみると、アーチ状になっているのが土踏まずで、3つの曲線で支えられている。
かかとと親指の根元、かかとと小指の根元を結んだ2つの縦アーチ。
そして小指と親指の根元を結んだ横アーチだ。
 
足の骨を結ぶ筋肉やけんがこれらのアーチを整えている。
特に重要なのが縦アーチを作る骨を引き上げる「後脛骨筋(こうけいこつきん)」。
この筋肉が衰えると、アーチが崩れて隠れ扁平足になる。
子どもに扁平足が多いのは筋肉が発達していないからだ。
先天的に扁平足の人はいるが、問題ないケースも多い。
 
主な原因は運動不足や老化に伴う筋力低下とされる。
太りすぎの人もなりやすいという。
ハイヒールを履く機会が多い女性は特に注意した方がよい。
ハイヒールを履いたときはつま先立ち状態になるため、後脛骨筋を使わなくなり衰えやすいからだ。

たこ・魚の目が兆候
やっかいなことに、座った状態で足を調べても土踏まずはあるように見えるため、隠れ扁平足か判断がつかない。
真っすぐに立った状態で、土踏まずが落ちていないかをみる。
また隠れ扁平足だと、足が着地するときにつま先の上がり方が低く、ドタドタした歩き方になりがちだ。
 
歩くと異常に疲れたり、足裏が痛んだりするほか、たこや魚の目などができやすいといった症状が出る。

縦アーチが崩れると、アキレスけんからかかとの骨を結ぶ線が外側に傾き、後ろから見ると「く」の字状になる。
こうなると、横アーチも下がって足が広がった状態の開張足(かいちょうそく)になる。
足の裏の一部にだけ力がかかるため、たこや魚の目ができるほか、外反母趾(ぼし)にもなりやすい。

外反母趾と思って調べたら、隠れ扁平足だったという例も最近は多い。

3つのアーチが崩れると、歩くときにかかとがよじれ、膝への横揺れが増す。
その衝撃で軟骨がこすれ合い、ひどくすり減ると変形性膝関節症という病気になる。
特に中高年の女性に多い。


靴選びもポイント
隠れ扁平足を改善するには、まず衰えた足の筋肉を鍛えることだ。
効果的とされるのが、いすに座った状態で片方の足をもう反対側の足の上に乗せ、足首に力をいれて内側にねじり、足裏を天井に向ける運動。
もうひとつは、足を肩幅程度に開いて立ち、その状態で足首を外側に傾けて足裏の内側を地面から上げるやり方だ。
いずれも20回を1セットとして3セットが目安になる。
症状が進むと痛みが出るため、違和感や痛みを感じたらすぐに中止する。
 
靴や中敷きを見直すことも重要だ。
中敷きは足の3つのアーチを支えるものが望ましい。
専門店では、3次元計測器で足の形状を調べ、アドバイザーが足にあった中敷きを選んでくれる。
価格は女性で4500円前後、男性で1500~3000円が目安という。
整形外科がある一部の病院では、義肢装具士が中敷きを作る。
この場合は健康保険が使える。
 
専門医にみてもらって正しい靴を選ぶのがコツ。
ドイツでは医者と靴職人が一体となり、足に合わせて靴を整形するのは一般的だ。


ひとくちガイド
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