食物アレルギー

食物アレルギー、悪化防ぐ物質発見 根本的な治療に期待
http://www.asahi.com/articles/ASH7F5J06H7FULBJ00T.html
食物アレルギーの原因となる細胞が増えるのを抑える物質を、東京大の研究チームがマウスの実験で見つけ、英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ(電子版)に発表した。
人の体内にもある物質で、この物質を利用すれば、対症療法ではなく、食物アレルギーの根本的な治療方法の開発につながる可能性がある。
 
食物アレルギーは消化管などで増える「マスト細胞」が原因。
この細胞は、体内に食べ物が入ると、ヒスタミンなど炎症を起こす物質を出す。
研究チームは、こうした物質と一緒に放出されるが、すぐに消える「プロスタグランジンD2(PGD2)」という生理活性物質に着目。
遺伝子操作で、この物質を作れるマウスと作れないマウスをつくり、比べた。
 
実験の結果、PGD2を作れないマウスは、作れるマウスに比べ、マスト細胞の数が約3倍に増え、皮膚の腫れや下痢といった症状が悪化した。
研究チームは、PGD2がマスト細胞の増加を抑え、症状の悪化を防ぐ働きがあると結論づけた。

厚労省などによると、食物アレルギー患者は国内では全人口の1~2%。
子どもに多く、成長ととも治る場合も多いが、大人になっても続く場合もあり、発症が遅いと治りにくいとされる。
有効な治療法は確立されておらず、命にかかわることもある。

<私的コメント>
最近、中学生以上の食物アレルギー患者さんが時々来院されます。
多くは果物アレルギーです。
両親とお子さんが果物アレルギーという家族も経験しました。
息苦しくなって救急車を要請する場合もあるのです。
このように果物アレルギーも軽視出来ません。
いずれにしろ運動により悪化することが多いので食物アレルギーの人は食後の運動には気をつけてください。

給食による食物アレルギーは当然のことですが校内で起きます。
学校の先生たちがいざというときの対応を正しく理解し実行できる準備をしておくことが何よりも大切です。
先日も果物アレルギーによる運動誘発性アナフィラキシーの中学生を診察しました。
後日、学校からの書類を持って来ました。
どのような注意が必要かといった内容でした。
こちらが一番知りたいのは、むしろ学校での救急処置の体制です。
医師としてはエピペンを常備しているかどうかということが最大の関心事なのですが、その点については一切書かれていません。
米国などでは教師がエピペンを注射する教育をきちんと受けているようです。
このあたりを曖昧にするところが、いかにも日本的です。

参考
エピペン
http://www.epipen.jp


<関連サイト>
亜麻仁油摂取で増える物質、食物アレルギー抑制に効果 マウス実験で確認
http://apital.asahi.com/article/news/2015070900020.html
亜麻の種子からとれる食用油「亜麻仁(あまに)油」を摂取した際に体内で増える物質に食物アレルギーを抑える効果があることをマウスを使った実験で確認したと、医薬基盤・健康・栄養研究所大阪府茨木市)などの研究グループが発表した。
食物アレルギーの予防薬などの開発につながる可能性があるという。
 
文部科学省の調査では、全国の公立小中高校の児童生徒の食物アレルギーの患者は2013年時点で約45万4千人(4・5%)だった。
食物アレルギーの予防や治療の方法は確立されていない。
 
研究グループは、αリノレン酸という脂肪酸を多く含む亜麻仁油に注目。
大豆油を含む一般的な餌を与えたマウスと、大豆油の代わりに亜麻仁油を加えた餌を与えたマウスの食物アレルギーに伴う下痢の発症率を比べた。
亜麻仁油の餌のマウスの発症率は、大豆油の餌のマウスの発症率の約1割だった。

食物アレルギーでは学校との連携が重要
http://blog.goo.ne.jp/major3b/e/774ade20e8d3101aa20b89ef6278d02d

「学校給食の安全を守る―アレルギー対応に求められるものとは?」
http://www.waseda.jp/sem-tjournal/gakkoukyuushoku.html

食物アレルギーについて理解し、対応方法を知っておこう
http://composttec.blog.fc2.com/blog-entry-226.html

食物アレルギー、学校と病院が連携 小金井市内の小中14校 /東京都
(2015.3.19)
http://apital.asahi.com/article/news/2015031900010.html
・学校で子どもたちに食物アレルギーが発生した場合に備え、小金井市教育委員会はこのほど、市立小・中学校と昭和病院(小平市)との間に緊急連絡の制度を設けた。発症時などに病院の小児科医師に直接相談し、的確な指示を仰ぐことができる。

・専用のPHSが配布された医師に、平日午前8時半から午後5時15分まで相談ができる。教員らが判断に迷ったときや、緊急搬送が必要な場合などに活用してもらう。、
私的コメント;
PHSという言葉を久しぶりに聞きました。
今でもあるんですね。
結構、進化しているようです。
http://news.mynavi.jp/articles/2014/11/10/phs_review/

学校における食物アレルギー対応最前線
https://www.j-milk.jp/tool/kiso/berohe000000cr2w-att/berohe000000cr78.pdf


学校における 食物アレルギー対応の手引き
http://www.edu.pref.ibaraki.jp/board/gakkou/karada/hoken/pdf/tebiki.pdf

食物アレルギー対応 急がれる医療機関との連携
http://www.kyobun.co.jp/opinion/20140220.html