気になる口内炎の対処法

気になる口内炎の対処法

口内炎ができると、飲食に不便を感じるなど日常生活に支障をきたす。
原因が特定できれば、その原因を取り除くことで症状が落ち着くことも多い。
一方で、原因不明の口内炎もかなりある。
 
一番多いのは、患部が白くなる「アフタ」。
直径2~5ミリと小さいが、ものが当たると強く痛む。
原因はアレルギーや自己免疫異常による病気、ビタミン不足、ストレスなど様々だ。
予防法はなく、軟こうや貼り薬、噴霧薬を便って治療する。
通常は10日前後で治るが、慢性再発性アフタになると繰り返し、漢方薬を用いることもある。
 
歯のとがった角や義歯などが触れたり、熱いものの刺激を受けたりして、潰瘍ができることもある。
痛みは強いが、接触や刺激がなくなると1週間ほどで治る。
 
単純庖疹ウイルスや帯状庖疹ウイルスが原因の水ぶくれもある。
水ぶくれが破れると強く痛む。
小児に多いのは手足口病などによる口内炎だ。
 
頻度は少ないが、免疫が自分自身を攻撃する「自己免疫疾患」の天疱瘡や類天疱瘡で水ぶくれができることもある。
この場合、水ぶくれはすぐに破れて、痛みを生じる。
疑いがある場合は皮膚科を受診するとよい。
 
白い斑点状でこすると取れるなら、カンジダ症だ。
高齢者やがんの化学療法を受けている人、ステロイドを服用中
の人に多い。
主に抗真菌薬で治療する。
 
赤くただれたり、白色線状が混じったりする場合は、偏平苔癬が考えられる。
金属や薬剤などのアレルギーの影響であれば、除去すると症状が
落ち着くことがある。
一方で原因が分からず難治性のことも。
症状が強い時は、軟こうを使う。
 
原因不明の口内炎は、口の中を清潔に保ち、軟こう等で痛みを和らげて、患部をカバーして対応する。
なかなか治らない時は、腫瘍の可能性もあるので注意が必要。
歯科や歯科口腔外科、耳鼻咽喉科を受診したい。
 
執筆 
国立病院機構東京医療センター歯科口腔外科医長・大鶴 洋先生
参考・一部引用
日経新聞・朝刊 2018.8.25