顔・手足のイボ、増えたり広がったりしたら
ウイルスや紫外線・加齢が起因 自己判断せず皮膚科へ
顔や手足に現れるイボ。
多くはウイルス感染が原因だが、加齢や紫外線によるものもある。
見た目を気にするあまり、自己流のケアで悪化させる例さえある。
適切な治療には、皮膚科の的確な診断が欠かせない。
イボは手足や顔などの皮膚にできる小さな突起物。
医学的にはイボは「疣贅(ゆうぜい)」と呼ばれ、ウイルス感染によるものと、そうでないものがある。
イボが大きくなったり、数が増えたり、市販薬で治らなかったりした場合は、悪化を防ぐためにも早めに皮膚科を受診したい。
ウイルス性のイボはいじったり、自分で取ったりすると、逆に増えることもある。
皮膚科で適切な治療を受ければ、早いと1カ月ほどできれいに治る。
ウイルス性イボで最も多いのが、手足などにできる尋常性疣贅だ。
丸みをおびた形で表面はザラザラしている。
多くは肌色や白色、褐色で、痛みはない。
原因はヒトパピローマウイルス(HPV)。
ひっかき傷やささくれなど、皮膚の小さな傷口からウイルスが入り込んで感染する。
現在200種類以上のHPVが見つかっており、感染した型でイボの種類が決まる。
イボは良性腫瘍で、がん化の心配はない。
液体窒素を浸した綿棒を患部に押し当て、表皮の細胞ごと破壊して治療する(凍結療法)。
顔や腕などにできる平たいイボは扁平疣贅。
20~40代の女性に多く、にきびだと思って自分でケアして、イボが増えるケースもある。
自己判断せず、皮膚科医の診断を受けたい。
イボに薬剤を塗って免疫を刺激する「接触免疫療法」を使うこともある(保険適用外)。
ハトムギ由来の漢方薬、ヨクイニンは体の免疫を活発にする作用があり、ウイルス性イボには効き目がある。
処方薬のほか市販薬でも100パーセントのヨクイニンエキスだと効果が期待できるという。
足の裏にできたイボは、タコやウオノメと間違えやすいため表面部分を少し削って見分ける。
イボは表面近くまで血管が通っていて、削ると赤い出血点が見える。
角質が厚い足の裏は凍結療法が効きにくいため医師が高濃度のサリチル酸軟こうを処方することもある。
周りにうつさないよう、スリッパや足拭きマットの共有は控える。
ただウイルスに接触してもうつらない人がいる。
あまり神経質にならなくてもいい。
外陰部や肛門周囲にできる、先のとがったイボは尖圭コンジローマ。
性感染症の一つなので、注意が必要だ。
有効成分のイミキモドが入った塗り薬(処方薬)で治る。
受診してしっかり治療しよう。
子供に多い水いぼは軟属腫ウイルスが原因。
表面がつるつるで光沢があり、中央が少し凹んでいる。
プールで肌が乾燥した子供にうつる例が多いという。
局所麻酔のテープを事前に貼り、ピンセットでつまんで取る。
ウイルスとは無関係のイボもある。
「老人性イボ」と呼ばれる脂漏性角化症は、紫外線や加齢が原因。
褐色や黒色でボタンのような形が特徴だ。
液体窒素の凍結療法で治療する。
中高年になって首や襟元などにできる褐色のポツポツ、スキンタッグ(軟性線維腫の一つ)を美容面から気にする人も多い。
皮膚科医がハサミで切り取ると、痕が残りにくい。
一人で悩まず、皮膚科医の診断を受けてタイプに合った治療を始めよう。
参考・引用一部改変
NIKKEIプラス1 2018.3.24
関連サイト
イボの種類と出来やすい部位
https://wsnoopy.wixsite.com/mysite/blog/イボの種類と出来やすい部位