老眼  40歳になったらまず受診

イメージ 1

当院は今インフルエンザワクチン接種の真っ盛りです。
接種の際のミスを防ぐために私は患者さん、ないしは付き添ってくる親にワクチン
のバイアルと注射シリンジに入っているワクチンの量を必ず確認してもらっています。
さすがに小さい子を連れてみえる親御さんには少ないのですが、40歳以上の方で
バイアルをお見せしても「老眼でよく見えませんから」とハナから見ようとしない
ケースがよくあります。


さて新聞記事から、この老眼についての紹介です。

老眼  40歳になったらまず受診

知らず知らずのうちに、新聞を遠ざけて読んでいる。
「老眼ですか?」。周囲に言われてみると、確かに近くのものが見えにくい。
「そんな年になったか」と、自分の年齢を考えてしまう人もいるのではないだろうか。

老眼は、目の中でレンズの働きをしている水晶体が老化で硬くなり、焦点を合わせる
調節力が衰えるために起きる。
通常、40歳前後に始まり、65歳ぐらいまで徐々に進んでいく。

日本眼科医会の種田芳郎常任理事によると、老眼の目安の一つは「30センチ先の
本がしっかり読めるかどうか」だ。
放っておくと、肩こりや頭痛を招き、ひどくなると吐き気をもよおす。
「特に注意してほしいのは、『自分は目がいい』と思っている遠視の人。 
遠視は老眼になりやすいのに、『そんな年じゃない』と認めない人がいる」と話す。

「近視は老眼にならない」と思いこんでいる人も多いという。
だが、それは誤りだ。
近視の強さで老眼が相殺されるだけなので、いずれは老眼になると知ってほしい。

対策は老眼鏡をつくること。
手ごろな既製品で、100円ショップで販売していることもある。
最近は遠近両用レンズを使った製品もあり、デザインも豊富だ。

だが、全日本眼鏡連盟の特別顧問の雨宮敬二さんは「既製品は左右のレンズ度数が同じ
で、左右の視力が違う人に
向かない。乱視にも対応できない」と否定的だ。
大きさ形が合わず、目とレンズの位置がずれてしまい、かえって疲れることもあるという。

やはり、眼科を受診し、度数を確認して眼鏡店に注文すのが基本になる。
老眼は進行するので、65歳までは2~3年ごとに受診して、眼鏡が自分に合っているかを
確認した方がいいだろう。

専門家が眼科の受診を勧めるのには、別の理由もある。
目の異常の原因が、老眼ではなく緑内障港など他の病気だとすると、失明などの重大な
結果を招く心配もあるからだ。

緑内障は、進行しないと自覚症状がないのが特徴だ。
受診して初めて、病気を発見するケースが多い。
視野が狭くなったり、視力が下がったりの症状を感じた時には、症状が進んでいる
可能性が高い。

これまで緑内障は、眼球内の液体の圧力が高くなり、視神経をおかして視力を低下
させると考えられてきた。
しかし近年、眼圧は正常なまま、緑内障になることも多いことがわかってきた。
日本緑内障が00~01年に岐阜県多治市で行った調査では、緑内症患者は40歳
以上の約20人に1人。
そのうち約7割が、正常の眼圧の「正常眼圧緑内障」だった。

そうなると、視力や眼圧だけでなく、視野や眼底を検査し、早期発見につなげる
ことが大切になる。
種田さんは「40歳になったら、年に一度眼科検診を」と呼びかけている。

                 朝日新聞・朝刊 2007.11.12
日本眼科学会のサイトでは、さまざまな目の病気について、イラストを交えて説明する
コーナーがあります。
日本眼科医会では毎週木曜の午後3~5時、電話(03・5765・8181)で、
眼科医が目の病気に関する相談を受け付ける「目の110番」を無料で行っています。

日本眼科学会:一般のみなさまへ
http://www.nichigan.or.jp/public/index.jsp
日本眼科学会 老視
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_roshi.jsp

<コメント>
私達は老眼といいますが、眼科専門医は老視といいます。
なんだか「老死」みたいでなじめませんね。

老人、老齢化、老人会。
普通に使っていますが、私は差別用語と感じています。
いわゆるトシハラです。
高齢者なら納得いきます。

医療専門のブログは別にあります。
井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科専門医向けのブログです)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログです)