コレステロール　　飲食すべて記録しコントロール

手帳を開くと忘年会や新年会の予定がびっしりだ。
宴会だけではない。
クリスマスケーキ、おせち料理など、この季節だけの食べ物もたくさんある。

体重増加はもちろんだが、さらに心配なのがコレステロール値の上昇だ。
コレステロール値が高い人は心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高く趣遥なる。

東京医科歯科大学の吉田雅幸医師は「寒くなって運動不足になるし、
食事内容にも十分注意してほしい」と話す。

コレステロール値がもともと高い人が、大量の飲酒や油っこいもの食べ過ぎると、
急性膵炎になることがある。
アルコールや脂肪を分解する酵素を出す膵臓に負担がかかって起こる危険な病気だ。
吉田さんは「たくさん食べたり飲んだりした後、急に腹痛や背骨付近の痛みが出たら、
膵炎を疑い血液検査を」とアドバイスする。
　　　
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コレステロール値や体重を自己管理するには、どうしたらいいか。

東京都葛飾区の永寿堂医院管理栄養士、浅沼紀子さんは「栄養指導で、飲食
したものを全部記録するノートをつくることを勧めています」。
自覚を促すことで、数値を気にかけ、改善する患者さんが増えるという。

ただ仕事に追われている人にはなかなか難しい。
そこで浅沼さんが、宴会の幹事さんに勧めるのは鍋料理だ。
健康メニューを用意するのも幹事の仕事の一つ。
ダイエットに関心のある人に、幹事を任せるのもいい。

宴会料理には揚げ物や肉類が多い。
野菜や食物繊維が不足がちだ。
「鶏肉や豆腐を中心にしましょう。
野菜やキノコを数種類入れた鍋料理は、食物繊維やビタミンも十分取れ、
バランスがよくなります」と浅沼さん。

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コレステロール値が高い状態は「高脂血症」と呼ばれてきたが、今後、
「脂質異常症」という表現に変わる。

コレステロールには悪玉（ＬＤＬ）と善玉（ＨＤＬ）コレテロールがあること
が知られている。
江東区の吉村副院長の野間健司医師は「悪玉は血管壁の中に取り込まれて動脈硬化
を引き起こすが、善玉は、たまった余分なコレステロールを回収し、
肝臓に運んで再利用させる働きあります」と説明する。

０７年度の動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは、これまでの「総コレステロール値を
２２０以下に」という指導に代わって、「悪玉（ＬＤＬ）を１４０以下に」という基準
が用いられる。
変更は、動脈硬化のリスクをよりはっきりと示すことが目的だ。
検査で出た自分の数値は何の数値かを、まず確認しよう。

野間さんは「最近は副作用少なくいい薬剤もある。食事療法で効果が出なければ、
家族歴や血圧、血糖値、肥満などのリスクを見てＬＤＬを下げる薬での治療も有効です」
と話した。
　
朝日新聞・夕刊　２００７.１２.１０
「体とこころの通信簿」
（版権　朝日新聞社）

＜コメント＞
文中でコレステロールと急性膵炎の関連が書かれています。
医学的にはコレステロールより中性脂肪が高いことが急性膵炎とより関連があると
いわれています。
コレステロールは、実は７～８割は体内で合成され、食事の影響は２～３割と
いわれています。
この記事の前半の話はコレステロールというよりはむしろ中性脂肪（トリグリセライド）
に置き換えた法が適切な内容です。
忘年会で関係するのはコレステロールよりむしろ中性脂肪、血糖、体重増加、肝障害
と思われます。

脂質検査
http://www.itawari.net/shishitsu.htm

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