黄斑上膜

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当院は内科ですが、最近物が見にくくなったという相談は時々受けます。

かかっている病気以外で相談を受けるのは、ある面嬉しいものです。

中には、他の領域の病気でよその医療機関にかかっているのに、その病気の相談を受けること
もあります。

専門医に紹介して、こちらが患者さんを通して勉強をさせて貰ったことも数多くあります。
臨床医は患者さんを通じて一生勉強させていただいています。
患者さんこそが先生なのです。

  患者に話すのではなく患者と話しなさい
      Talk with, not to patient.

これから専門外の勉強をさせていただいた病気を時折紹介していきます。

題して<知識もくすり>シリーズ。


皆さんは目の病気に関しては白内障緑内障網膜剥離飛蚊症んどはよくご存知のことと思います。
眼科の病気としては聞き慣れない名前と思いますが、以下の病気も意外に多いものです。
知っていて損のない病気です。

<知識もくすり(眼科)>シリーズ
Q.
黄斑上膜って何ですか?

A.
黄斑(物体を特に鮮明にはっきりと感じることのできる部分)とは眼底の網膜(カメラのフィ
ルムにあたる部分)の最も大切な中心の部分です。
黄斑上膜は、硝子体の年齢の変化で黄斑の上に膜がはる病気です。
中心部に膜がはると、その膜が収縮するので、黄斑に"しわ"がよります。そのため、膜越しに物
を見ることになり物を見ようとする中心が見えにくくなり、ゆがんで見えます。
黄斑上膜ができるのには、様々な原因があるのですが、まず最も多い原因をあげておきます。
誰でも40歳から60歳くらいになると、眼の大部分を占める硝子体に変性が起こってきて、
硝子体が網膜から離れていくのですが、この時に黄斑に硝子体の一部が残ってしまうことが
あり、これが分厚くなって黄斑上膜となるのです。


治療は
目薬や飲み薬では良くなったりすることはありません。
程度が軽く、視力低下やゆがみが強くない場合は経過観察となります。
視力がさがったり、ゆがみが強い場合は手術で膜をとります。 手術によって完全に元の見え
方に戻るわけではありませんが、ゆがみはかなり減り、視力も手術前より回復する場合が多い
です。
黄斑上膜が発生して長時間たってからでは手術が成功しても視機能の回復が悪くなります
ので、視力低下やゆがみを感じたらすぐに眼科を診察を受けるようにして下さい。

早期発見がもちろん大切です。
自己診断として推奨されている物に,アムスラー表という格子状の図があります。アムスラ
ー表を眼科でもらい,中心暗点や物のゆがみの出現,増悪,など日常の「見え方」の著明な
変化について,片眼ずつ前日の状態と比較するようにすれば,より迅速な対応が可能となり
ます。

黄斑上膜
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10A71300.html
黄斑上膜
http://www.ganka.gr.jp/eye/sickness/ohan-j.html
黄斑上膜
http://www.ideta.or.jp/ouhanjyoumaku.html

<自遊時間>
昨朝の朝刊の中華航空機の話。
当院でとっている3つの新聞ともに同じ日本人乗客の撮影した同じ写真が使われ
ていました。
名前も出されていました。
これって子々孫々すごい自慢になりますよね。
これからは表を出歩く時にはデジカメは欠かせません。
携帯で動画をとったのもテレビで放映されていました。

医療専門のブログは別にあります。
井蛙内科開業医/診療録http://wellfrog.exblog.jp/
葦の髄から循環器の世界をのぞくhttp://blog.m3.com/reed/