麻疹(はしか)注意報

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インフルエンザも現時点で流行っているような流行っていないような状況です。
花粉症の患者さんもだんだん増えて来ています.
しかしここで忘れてはならないのが、昨年大学生を中心に流行した麻疹(はしか)です。
というのは昨年と同様に、今年も麻しん(はしか)の流行が予想されているのです。

昨年に麻疹流行が報道された直後には麻疹ワクチンはおろか抗体検査もこの世から消えて
しまいました。
今ならこの両方とも手に入ります。
特に10代、20代の方は今のうちに是非検査
やワクチン接種をされることをおすすめします。

なお国立感染症研究所のホームページで麻疹の流行状況を知ることができます。

麻疹にご注意を

麻しんの感染力は非常に強く、重症な場合には肺炎や脳炎を合併することもある病気です。
特に乳児や成人では重篤になりやすいので注意が必要です。
その予防にはワクチンが有効です。
患者の多くは予防接種をしたことがない人ですので、一度も予防接種をしたことがない人は、
是非接種して下さい。
しかし、接種していれば完全に大丈夫かというとそうでもなく過去に予防接種を1 回受けて
いても、10年程度経過すると効果が弱まることがあります。
麻疹にかかった患者さんは、10代がピークで過半数は予防接種をしていない人です。

予防接種法による定期接種として、1 歳児の1年間と小学校就学前の1 年間(年長にあたる
年)の2 回、MR ワクチンの接種が受けられますが、それ以外は任意接種となります。
平成20年4月以後は、中学1年(第3期)と高校3年相当年齢(第4期)が定期接種の
対象年齢に追加されます(5年間の期限つき)。

○麻しん患者に接触した場合
予防接種をまだ受けていない場合でも、患者と接触して3 日以内に予防接種を受けると発症
を予防できるとされていますので、早めの接種をお勧めします。
○疑われる症状が出現した場合
発熱、せき、発しんなどの症状が出た場合には、学校や仕事を休み、早めに医療機関を受診
してください。
○過去に予防接種を受けたことのある方は、発疹等の典型的な症状が出現しないことがあり
ます。

麻疹の特徴
かぜに似た症状の後、いったん下がった熱が再び高熱となり、発疹がでる特徴があります。
入学式など、集団で集まる行事が多い、例年4月から6月は麻疹流行のピークになります。
また、流行期が連休期間をはさむことから、旅行などの外出により、地域を越えて流行が
広がるおそれもあります。
困ったことに発熱とかぜのような咳、鼻水から始まる病気で、最初からは麻疹と診断が
つきません。
数日たってから全身に発疹が出現し、コプリック斑という口の中のほっぺの裏側に白いカス
のようなものが出ます。
診断がつくのはやっとその頃ですが全体に重篤感があるのが特徴です。

はしか対策会議第1回会合 日本が“輸出国”と報告

青少年の流行が問題となっている「はしか」撲滅に向けた「麻しん対策推進会議」第1回
会合が12日、東京・霞が関厚生労働省で開かれ、国立感染症研究所自治体向けの支援
チームを設けることなどを決めた。
会議では、専門家から、昨年の10~20代のはしか大流行はワクチン接種の不徹底を原因
とみる指摘が相次いだ。
さらに2005年(平成17年)時点で、WHO(世界保健機関)加盟国でワクチンを2回
接種している国が89%にのぼることや、米国やカナダを訪れた
日本人が発症し、日本がはしかの“輸出国”となっている現状が報告された。
日本は平成24年までのはしか撲滅を目標にしており、18年4月から2回接種を開始。
今春から高3と中1への追加接種も実施するが、免疫を持たない大学生などの若い世代へ
接種の推奨が課題となっている。
このため、すべての都道府県に「麻しん対策会議」を設置し、接種を徹底させるほか、国立
感染症研究所に「麻しん対策技術支援チーム」を立ち上げ、疫学調査や流行時の対応などの
情報発信を進めることを決めた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000923-san-soci
産経新聞2008.2.13
版権 産経新聞



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